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「とがの木茶屋」が復活 熊野古道の休憩所

 和歌山県田辺市中辺路町野中、かやぶき屋根が印象的な熊野古道の名物休憩所「とがの木茶屋」に1日からスタッフが常駐し、観光案内やおもてなしを始めた。7年ほど前に閉店。施設を無償で借り受けた田辺市が無人開放してきたが、地元の住民団体に管理運営を委託し、ゴールデンウイーク(GW)までに改修もして観光客らに茶を振る舞えるようにする予定。

 中辺路行政局産業建設課によると、継桜王子のすぐそばにある「とがの木茶屋」は、所有者の女将、玉置こまゑさん(91)が母屋の縁側や40年近く前に隣に建てた木造平屋の建物(延べ床面積20・62平方メートル)で茶屋を営み、小説家の立松和平(1947〜2010年)ら文化人にも親しまれた。高齢のため7年ほど前に閉じており、かやぶき屋根の棟については2008年から市が無償で借り受けて、休憩所として無人開放をしてきた。

 市では「人気スポットを末永く保全し、観光客の利便性も高めたい」などとして、近露と野中地区の活性化に取り組んでいる住民団体「ちかの平安の郷推進協議会」(久保智彦会長)に管理運営を委託。1日からこの棟を「とがの木茶屋茅葺(かやぶき)休憩所」と名付け、協議会のメンバーがスタッフとして常駐し、訪れた外国人観光客らに対応している。

 4月末までに電気や水道などの工事も行い、来訪者に日本茶を振る舞えるようにする計画で、無料で利用できる公衆無線LAN「Wi―Fi(ワイファイ)」も設置する。2016年度の当初予算には運営の委託や工事、備品購入費などとして275万4千円を計上した。

 スタッフが常駐するのは3〜12月で、営業時間は午前9時〜午後5時(12月は午後4時まで)。毎週火曜と1、2月は無人開放となる。

 スタッフの一人、前静さん(60)=中辺路町野中=は「ここが無人だったのは地域の者にとって寂しいことだった。観光客だけでなく、地域の人たちが気軽に集える場所になれば」と話す。久保会長(73)も「地域にとって最高に誇れる場所。地域の皆さんと力を合わせて守っていきたい」と意気込む。

 中辺路行政局は「地元のことをよく知っている方々が運営をしてくれることになり大変ありがたい。地域の行事や団体との連携も含めて、地域の活性化に役立ててくれるのを期待している」と話している。


【スタッフが常駐するようになった「とがの木茶屋」で早速、外国人観光客に対応する地域住民(1日、和歌山県田辺市中辺路町野中で)】

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