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市町村長の要請で勧告可能に 空き家条例の改正検討

 和歌山県は、廃虚など周囲の景観に合わない空き家について、所有者に改善を勧告や命令できる「景観支障防止条例」の改正を検討している。現行では一定以上の周辺住民からの要請が必要だが、世界遺産登録地周辺など景観上特に重要な地域は、市町村長からの要請でも可能にすることを考えている。

 この条例は県が2012年、全国で初めて施行した。個別に条例を持つ和歌山市、高野町、有田川町を除く県全域が対象。周囲の景観にそぐわない建物から、70メートル以内の住民の3分の1以上の要請があれば、県が調査を開始。知事は所有者に対し、修繕や撤去を「勧告」し、改善がなければ「命令」「行政代執行」の措置が取れる。

 一方で、県や市町村が特に景観上重要としている地域であっても、住民からの要請がないと手をつけられないことから、一部地域については市町村長からの要請でも可能にするよう検討する。背景には今年7月、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」への追加登録が期待され、積極的に空き家対策を進めたい思惑がある。対象としたいのは、世界遺産緩衝地帯(バッファゾーン)や熊野古道中辺路と並行している国道311号や国道168号沿線、熊野川周辺など。

 和歌山市のホテルで11日に開かれた県景観審議会で、県担当者が趣旨を説明。委員からは「確かに、現行では人が住んでいない所は、要請ができないので対応が難しい」「世界遺産は意味を持った場所で、廃虚も一つの価値。歴史的意味を考えないで単に空き家が目障りだというのには反対」など賛否の意見があった。

 県民から意見を募り、景観審議会への諮問を経て、6月に県議会に条例改正案を提案したいという。

 県の景観支障防止条例でこれまで勧告に至ったのは、那智勝浦町のJR紀伊勝浦駅近くの空き家だけ。今年3月に行政代執行で撤去された。現在、ほかに紀北と紀中で要請があり、県が調査している。


写真【景観支障防止条例の改正について話し合う「県景観審議会」(和歌山市で)】

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