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移住者が棚田で米作り 熊野古道周辺の景観守る

 和歌山県田辺市中辺路町高原で、移住者らが世界遺産・熊野古道を歩く人たちにとっても魅力の一つとなっている棚田で米作りに取り組んでいる。住民が高齢となって稲作を続けるのが難しくなってきたため、2年前に父親のふるさとに移住した柏崎さくらさん(30)=中辺路町高原=ら30〜40代の「若手」が昨年からスタート。メンバーは「地域の景観を守りたい」と意気込んでいる。


 高原は熊野古道沿いにあり、宿場町として栄えた高台の集落。見晴らしがよく、眼下に雲海が広がる「霧の里」として知られる。

 米作りに取り組んでいるのは、熊野古道を歩く人らが立ち寄る「高原霧の里休憩所」の前に広がっている棚田。休憩所前の駐車場からは約50アールの棚田が望め、このうち水車小屋近くの約20アールを柏崎さんの祖母・岩見岑子さん(84)が所有。以前からこの田んぼの世話を引き受けてくれていた住民が高齢のために続けるのが難しくなってきたことから、孫の柏崎さんが「何とかできないか」と立ち上がった。

 思いついた人に協力を呼びかけ、米作りも指導してもらいながら、昨年、初めての稲作に挑戦。高原地区などに移り住んだり、戻ってきたりした人たち6人が中心となり、6月上旬から1カ月ほどかけて田植えをし、除草剤を使わずに管理。10月上旬に稲刈りをし、収穫できた米約300キロを皆で分け合って食べた。初の米作りに、メンバーからは「こんなにも手が掛かるとは驚いた」「自分たちで栽培できたのは自信にもなった」といった声が聞かれた。

 今年の米作りには、4月に兵庫県から高原に移住してきたばかりの倉谷真矢さん(41)も参加。田植えに向け、棚田のあぜを整える「あぜ塗り」などの作業に汗を流しており「棚田で米を作るのが長年の夢だった。作業は大変だけど楽しい」と話す。

 柏崎さんは「できるだけ続けてこの景観を大事にしていきたい。棚田での米作りに興味があれば、参加していただきたい」と話している。

 問い合わせは柏崎さん(080・9991・3377)へ。


写真高原地区の棚田で、田植えに向けて準備を進める関係者(和歌山県田辺市中辺路町で)

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