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関係者らほぼ確実で喜びの声 世界遺産追加登録

 ユネスコ世界遺産委員会の諮問機関で認められ、熊野や高野参詣道の史跡22カ所が世界遺産に追加登録されることがほぼ確実となった。史跡を守り継ぎ、地域振興に活用する語り部らから喜びの声が上がっている。

 和歌山県田辺市では熊野三山の「別宮」的存在である「闘鶏神社」のほか、熊野参詣道中辺路街道で近世に頻繁に利用された「長尾坂」や「潮見峠越」、水ごりをした富田川沿いの「北郡越」、近世に西国三十三カ所観音巡礼で利用した「赤木越」が新たに登録される見込み。

 闘鶏神社の長沢好晃宮司は「田辺別当家の拠点として歴史的、文化的に熊野信仰の一翼を担ってきたことが評価されたと思う。地域の人々から『権現さん』と呼ばれ親しまれており、世界遺産となることが期待されていた。今後も文化財保護と伝統の保持のために努力していきたい」と話す。

 観光関係者の注目度は高い。田辺市熊野ツーリズムビューローの多田稔子会長は「特に街中にある闘鶏神社が含まれているのが大きい。田辺市で初めての市街地の世界遺産となる。追加登録されればいろんな展開が期待できるので、うれしい」と喜ぶ。

 田辺市街地を中心に案内する田辺観光ボランティアガイドの会の愛須雅子代表は「長尾坂や潮見峠越がある熊野古道も案内している。世界遺産になることで活動に一層の張り合いができ、喜びもひとしお。闘鶏神社も訪れる人が増えると思う。まちの活性化につながる」と意気込む。

 北郡越は旧大塔村で初めての世界遺産となる見込み。市文化財審議会の元委員で、地元の歴史を研究する洞口久善さんは「いろいろな物語が残り、風景も良く魅力的な古道。水害で崩れた所もあり、今後、活用と保存を考えないといけない」と話す。

 上富田町では、西行法師が熊野参詣の途中に歌を残した「八上王子跡」と、王子社の中で格式が高いとされる五体王子の一つである「稲葉根王子跡」が、町内で初めて登録される見込み。

 口熊野かみとんだガイドの会の裏地好晴会長は「これまで上富田町だけ取り残された感じだったが、追加登録されることで町の大きな宝になる。今後、大辺路やジオパークなども合わせた観光資源の開発に協力できればと思っている。新たな古道の掘り起こしもやっていきたい」と抱負を語る。

 串本町でも熊野参詣道大辺路街道で石畳が残る「新田平見道」や「富山平見道」「飛渡谷道」、那智勝浦町浦神まで通じる「清水峠」の4カ所が、初の登録となる見込み。

 熊野古道大辺路刈り開き隊の上野一夫代表は「みんなで大辺路の古道を探し出し、刈り開いてきた。登録されている古道と値打ちは変わらないとは思っていたが、追加登録はやはりうれしい。苦労が報われた感じがする。ウオークイベントやツアーが増えると思う。地域の活性化につなげたい」と期待を膨らませる。


【世界遺産への追加登録が見込まれる闘鶏神社(和歌山県田辺市東陽で)】

更新)