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救急出動に備え調査 熊野古道「潮見峠越」

 和歌山県田辺市消防本部田辺消防署の中辺路分署と大塔分署が9日、世界遺産への追加登録が見込まれている熊野古道「潮見峠越」(田辺市上野―同市中辺路町西谷)周辺を合同で調査した。熊野古道を歩く人らから救急出動の要請があった場合に、いち早く現場に到着できるよう地理を把握することが目的。同本部は「安心して歩いてもらえるよう備えたい」と話している。

 同本部ではこれまでも熊野古道での救急出動に備えようと現地調査を実施。すでに世界遺産に登録されている田辺市中辺路町栗栖川の滝尻王子から同市本宮町に至る熊野古道については、どの場所にどこから行けばよいか、緊急車両はどこまで近づけるかなどの情報が分かる資料を作成している。

 追加登録を見据えた今回の調査には、出動の際に一緒に活動している中辺路分署と大塔分署の職員計8人が参加。中辺路町栗栖川にある「潮見峠休憩所」から、同市長野の古道沿いにある「ひるね茶屋」まで片道約3・4キロを歩きながら調べた。

 ルート上にある木の橋など目印となる場所の写真を撮影して衛星利用測位システム(GPS)で位置を把握したほか、無線や携帯電話が通じるか、防災ヘリコプターで傷病者の引き上げが可能かどうかなどについて確認した。

 中辺路分署の田中義高係長(50)は「徒歩でしか行けない場所については防災ヘリを活用するといった対応が重要だと感じた」、大塔分署の浦辺俊次分署長(59)も「いち早く現場に到着することが傷病者の容体が悪化することを防ぎ、安心にもつながる。よく調査をして、観光に訪れた方に安心して熊野古道を歩いてもらえるように備えたい」と話した。

 今後、追加登録が見込まれている「北郡越」(田辺市鮎川―中辺路町北郡)でも同様の調査をする予定。

 管内の熊野古道(中辺路町の滝尻王子―本宮町)での救急出動は14年11件、15年3件、16年は9日現在1件。転倒したり、気分が悪くなったりして要請したケースが多いという。


写真【世界遺産への追加登録を見据えて取り組んだ熊野古道「潮見峠越」の現地調査(9日、和歌山県田辺市中辺路町で)】

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