和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年05月21日(火)

複数の自民支部が不記載

 自民党の複数の和歌山県内支部や関連の政治団体が、2019~22年に党県連から受領した交付金や寄付金について、政治資金収支報告書の収入に記載していなかったことが分かった。市民団体「市民オンブズマンわかやま」の畑中正好事務局長による公開質問状に答えた。指摘を認めた支部や政治団体は修正するとしている。

 畑中氏が調べたところ、県連の報告書に支出記載があるのに、支出先としている複数の支部や政治団体の報告書に収入記載がないことが判明。報告書自体の提出が確認できなかった団体分を含め、行方が不明の交付金や寄付金は、計約765万円に上るとし、14団体(存在が不明確の2団体を除く)の代表に対し、公開質問状を送付していた。

 畑中氏によると、計8団体から回答があった。「事務的ミス」などとして不記載を認めたのが4団体、誤って他の支部の収入に計上していたのが1団体で、いずれも修正申告するとした。不記載を直接認めたわけではないが、回答内容からそう考えられるのが、別に2団体あった。また、報告書提出が確認できないと指摘された1団体は「提出している」と回答。手続き上の事情で公開されていなかったという。

 他6団体からは回答がなかった。

 畑中氏は「不記載は犯罪であり『ミスだった』で済まされるものではない。特に回答がなかった団体は残念だ。透明性を高めるためにも、疑義があれば誠実に答えてほしい」と話し、今後の対応を検討するとした。