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2024年05月21日(火)

『青春18×2 君へと続く道』ミスチルを聴きながら向かったランタン上げができる場所は?聖地巡礼ガイド【台湾編】

ランタン上げの名所・十分駅へ向かう平渓線の車内のシーン=映画『青春18×2 君へと続く道』(公開中)(C)2024「青春18×2」Film Partners
ランタン上げの名所・十分駅へ向かう平渓線の車内のシーン=映画『青春18×2 君へと続く道』(公開中)(C)2024「青春18×2」Film Partners
 大型連休が終わり、次に待ち遠しいのは夏休み。今月3日に劇場公開が始まった映画『青春18×2 君へと続く道』の台湾ロケ地を紹介する。聖地巡礼旅行の計画を立てる参考になれば幸いだ(以下、2024年3月の現地取材にもとづく情報です)。

【フォトギャラリー】『青春18×2 君へと続く道』ロケ地(台湾編)

 同映画は、人生につまずいた36歳のジミーが、18年前に出会ったアミとの“忘れられない初恋の記憶”と“果たせなかった約束”を胸に日本を訪れ、一人旅の途中で出会うさまざまな人々との交流をきっかけに、止まっていたジミーの時間が少しずつ動き出していくというストーリー。

 36歳と18歳のジミーを台湾のスター俳優シュー・グァンハンが巧みに演じ、アミ役で清原果耶がダブル主演を務めた。監督は、『余命10年』や『新聞記者』、『ヤクザと家族 The Family』など数多くのヒット作を手がけてきた藤井道人。18年前の台湾と現在の日本を舞台にした本作では、台湾と日本の各地で撮影が行われた。

【新北市:十分駅】
 本作の名場面の一つ、ジミーとアミがそれぞれの願い事を書いたランタンを空へ飛ばすシーンが撮影されたのは、台北郊外にある十分(シーフン)駅。台湾ではランタンに願い事を書き空に飛ばすと願いが叶うとされている。十分駅は線路を挟むようにランタン屋が立ち並ぶ、ランタン上げの名所。

 十分駅へは、台湾鉄道で台北駅から三貂嶺駅で平渓線に乗り換え。平渓線の車内ではジミーとアミが片耳ずつイヤホンを装着してMr.Childrenの曲を聴いたように、お気に入りの曲を聴こう。劇中で2人が何を聴いているのかは明示されない理由について、藤井監督は「元から曲を流す予定はありませんでした。あそこで曲を指定してしまうと、演出過多になってしまう。本作はみんなの“今”を肯定する映画でもあるので、あのシーンで流れる曲はご覧になった方それぞれに任せたいと思います」と、説明している。

●メインのロケ地は台南市

 台湾での撮影は主に台南市で行われた。藤井監督の祖父の出身地でもあり、ロケハンで訪れたとき、どこか懐かしさを感じたという。台南は、台湾最古の都で、1624年にオランダが統治して開拓され、今年は400年の節目。日本統治時代の建築物や産業も多く残されている。台湾高速鉄道・高鐵台北駅から高鐵台南駅まで1時間22分、隣接する在来線の台湾鉄道・沙崙駅から台南駅まで23分。台湾鉄道・高雄駅からは30分で台南駅。

●台南駅から徒歩で巡れるロケ地

【台湾首廟天壇】
 バイトに遅刻しそうな日ですら、日課としてジミーが通う廟として登場。実はアミが「最後まで良い旅になりますように」と“ポエ(願掛け)”をした廟でもあった。願掛け直後に財布を無くしたことで、アミは“カラオケ神戸”でアルバイトをすることに。道教の神である玉皇大帝を祀って1854年に建てられた、台湾首廟天壇は「天公廟」とも呼ばれている。

【水仙宮市場】
 “カラオケ神戸”の仲間スーイーと一緒にジミーとアミが買い出しに行った朝市は、水仙宮市場。朝市には、野菜、海鮮、肉など、いろいろな食材が並ぶ。台湾ならではの光景に、アミも興味津々だった。午後になるとほとんどの店が閉まってしまうので要注意。

【府中街/神農街】
 アミがカラオケ神戸で働くことになる前、バックパックを背負い訪れていた台南の観光名所。どちらも風情ある古い街並みが特徴の老街(下町)だ。アミいわく「懐かしくて絵になる街」。府中街は台南孔子廟の向かいにある。神農街は水仙宮市場の向かいにあり、夕方になると店に明かりが灯り、台南の老街の中でも特に風情がある。

【全美戯院】
 ジミーとアミがデートで訪れ、岩井俊二監督の『Love Letter』を観た映画館。台湾の映画館で映画を観ることも初めてのアミは「レトロでかわいい!」とはしゃぐ。1950年に開業した二番館で、今なお残る手描きの映画看板が有名。

【武聖夜市】
 ジミーが運転するバイクにアミが2人乗りして通り抜けた夜市。そこで流れている曲は、アミもカラオケで聞き覚えのあった台湾のバンド・メイデイ(五月天)の曲だった。武聖夜市は台南市中西区で開催され、台南四大夜市の1つに数えられている。水・金・土曜日に開催。そのほか台南には、大東夜市(月・火・金)、花園夜市(木・土・日)、小北夜市(火・金)がある。それぞれ開催曜日が異なる。

【台南東門城のロータリー】
 アミの歓迎会のあと、ジミーはアミをバイクに乗せて環状交差点をぐるぐる回り、アミも「なにこれ!楽しい!」と笑顔になったシーンの撮影が行われた。

●台南駅からバスまたはタクシーで

【四草大橋】
 ジミーとアミがバイクで橋を渡りながら、海風を感じて「気持ちいー!」「ソンラ~!」と大声を出す場面は海の上に架かる「四草大橋」で撮影された。近くに観光スポットの「四草緑のトンネル」(マングローブに覆われたトンネルを観光船で抜けていくクルーズが楽しめる)があるので、こちらを目指して行くのがおすすめ。台南駅からバスで50分くらい。

【黄金海岸喜樹】
 カラオケ神戸のメンバーで遊びに行った海のシーンが撮影されたのは、「四草大橋」の南にある黄金海岸。アミは少し離れたところで絵を描きながら、ジミーたちがはしゃいでいるのを見ていた。

 安平区の漁光島から黄金海岸まで、およそ5キロにわたって砂浜が続いている。黄昏時には夕日が浜辺に差し、金色にキラキラと輝く光景がその名の由来。日没の時間帯がもっとも人が多い。徒歩では行きづらいので、「四草大橋」とあわせてタクシーの利用がおすすめ。

●そのほかのスポット

【台南市:保安駅】
 人生の目標も居場所もすべてを失ったジミーが、失意の中、故郷へと戻ってきて、実家の引き出しにしまわれていた一枚のハガキを手に取る。それは、初恋の相手アミからかつて届いたもの。ハガキにかすかに残る香水の香りから、ジミーは“あの夏”を思い出す。ジミーの実家のある地元の駅として登場するのが保安駅。台湾鉄道台南駅の隣の駅。

【台南市:台南応用科技大学】
 ジミーが通っていた大学のシーンが撮影された。ゲームをしながら歩いていたアーロンとぶつかったことがきっかけで、ジミーはゲーム制作の道に進むことになる。ジミーの夢が動き出した原点の場所。台南駅から台湾鉄道で永康駅下車、徒歩30分。駅からバスも出ている。

【高雄市:大岡山超峰寺】
 ジミーとアミがバイクで向かった展望台。夜景を眺めながら互いの将来について語り合った。1763年、高雄市の大岡山に建てられた超峰寺の敷地は広大で、登山道を歩いた先の展望台からは街を見渡せる。台南駅から台湾鉄道で岡山駅まで約20分、バスに乗り換え約25分のJiujiu下車、そこから徒歩約45分。岡山駅からタクシー利用がおすすめ、展望台近くまで行くことができる。

【雲林県虎尾鎮:カラオケ神戸】
 ジミーとアミがアルバイトとして働くカラオケ。その一室はアミの滞在場所にもなっていた。撮影に使われたのは、総領KTV(現:甜心時尚會館)。台湾高速鉄道雲林駅下車、タクシーで20分くらい。

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提供:oricon news