和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2021年04月12日(月)

梅の剪定学び生業に 援農者対象に事業開始

梅の剪定技術研修の受け入れ農家ら(和歌山県みなべ町清川で)
梅の剪定技術研修の受け入れ農家ら(和歌山県みなべ町清川で)
 和歌山県みなべ町清川にIターンし、援農者と農家をつなぐ仕事をしている山下丈太さん(38)が、地元農家の協力を得て、梅の木の剪定(せんてい)技術を学んで身に付け、請け負うことができるようにする事業を始め、参加者を受け付けている。山下さんは、梅農家の手助けと、各地で援農の仕事をする人の冬場の生業につながればと期待している。

 山下さんは、京都などで援農事業を手掛けて「アグリナジカン」という会社を立ち上げ、昨年5月からは清川に住み、みなべ町内でも梅の収穫期に援農者と農家をつなぐ仕事を始めた。昨年は7人ほどが梅収穫の援農に来て、そのうち1人は町内に移住することになったという。

 山下さんが地元の梅農家と話をする中で、梅農家は冬場、梅の木の剪定作業に追われる一方で、援農者が仕事を見つけにくい冬場に、梅の木の剪定を生業にできないかと考えた。

 ただ、剪定を請け負うには、剪定の技術があることと自前の道具を持って自分で来てもらえることが必要だということで、今回の人材育成の事業を農家に提案したという。

 「みなべクリッパーズ」と名付けた事業で、3段階に分けて、初めに導入部として、1泊2日で剪定の基本についての座学や地域との交流会をする。次に、農家の元で7日間のトレーニング研修を受け、基礎を教えてもらう。費用は1泊850円。受け入れ農家は現在5軒ある。

 研修終了後に試験を受け、合格すればメンバー登録され、報酬を得て剪定を請け負うことができるようになる。農家とも協議の上、技術レベルが上がるに従い、報酬も上がるように考えているという。

 援農者と農家のマッチングは、同社が担当。山下さんは、参加者側のメリットとしては、剪定技術を身に付ければ、冬場の期間、例えばまとまった休みに剪定の仕事をするなど、自分の生活リズムに合わせて請け負うことができることがあるといい「課題もあると思うが、まずはやってみよという話になり、始めることにした。まずは清川地区からスタートして、みなべ町全体に広げていければ」と話す。

■年間の移住農業体験企画も

 「アグリナジカン」は移住や農業に関心がある人向けの、4月開始予定の年間企画「わかやまSOKAY(ソカイ)プロジェクト」も立ち上げた。普通車運転免許証の取得や援農の仕事を組み合わせた多拠点移住体験プログラムで、若い世代の県内移住への入り口になればと考えた。

 募集は5人。20歳以上の男女で、1年間プログラムに参加する意志があり、自動車運転免許を持っていない人が対象。申込者にはオンラインによる説明会もある。

 参加費用は月額3万円(シェアハウス滞在費や自動車教習代金を含む)。1カ月は運転免許の取得期間で、9カ月は農業のアルバイト(時給900円、おおむね1500時間)をし、残り2カ月は休暇として自由に過ごしてもらう。

 住居や働き先は同社が用意する。住居は最初は清川のシェアハウスだが、その後は援農に行く地域などによって未定という。仕事は、みなべ町の梅農家や梅問屋で働くほか、参加者の要望も踏まえながら、ミカンや花の収穫など、県内の他の農業の仕事も考えていくという。

 梅の木の剪定事業や「わかやまSOKAYプロジェクト」は、「アグリナジカン」のホームページ内で紹介しており、申し込みできる。

 問い合わせは、同社代表の山下さん(090・9865・8929)へ。