和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年09月20日(金)

「年金頼みは限界」

 連日、公的年金を巡るニュースが報じられている。新聞には「公助から自助へ」「人生百年、年金頼み限界」といった記事が並ぶ▼発信源は厚生労働省や金融庁、財務省や会計検査院にも広がっている。少子高齢化の急速な進展で年金制度に限界が見えてきたことを政府が認め、国民に自助努力を求めていることを反映しているのだろう▼例えば、金融庁が「人生100年時代」に向けて金融審議会に示した資料では、男性が65歳、女性が60歳以上の高齢夫婦の場合、公的年金の収入は月に約21万円。支出は約26万円で、毎月5万円の赤字。蓄えを取り崩しながら20~30年生きると、現状でも1300万~2千万円が必要という。一方で、老後の資産となるはずの退職金の平均給付額が10年前の3~4割減という調査もある▼そこで、現役時代から資産形成に知恵を絞れというのだが、そう簡単にことが進むのか。現役時代には「老後の暮らしのため」といって年金を掛け続けさせ、いざ受給世代になると、それでは足りないから自分で身を守れと言う。詐欺に遭ったように考える人も少なくないのではないか▼一方で会計検査院は今春、年金資金の運用で価格変動率が高い株式の運用比率が50%に増えたと警鐘を鳴らし、厚生労働省などに投資手法の透明性の確保や情報の積極的な開示を求めた▼なんだかきな臭い。参院選ではこうした問題にも、真面目な議論を望みたい。(石)