和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年04月24日(水)

昨年の休廃業347件 和歌山県内、4年ぶり増加

 東京商工リサーチ和歌山支店は、県内で2020年中に休廃業や解散をした企業について調査した。企業数は347件あり、4年ぶりに増加した。過去20年間で3番目に多く、同支店は要因について「新型コロナウイルスも影響しているとみられる」としている。

 休廃業・解散の企業数は2000年代は03年の98件を除き、100件台で推移していたが、10年以降に増加傾向になり、13年には393件まで急増。16年は最多の441件となり、その後3年間は減り続けていた。4年ぶりに増加し、前年より34・5%増と増加幅は大きかった。

 ここ数年、多かった要因について同支店は「代表者の年齢が60歳以上の企業が全体の80%以上を占める状況が6年間続いている。後継者を見つけられずに休廃業や解散に至っていると考えられる」と分析。

 それに加え、20年には大幅に増えたことについて「新型コロナウイルスの影響は倒産では3件と少なかったが、休廃業するきっかけになったとみられる」としている。

 事業年数が20年未満の企業は半分近くあったが、半世紀以上続いた企業も15%あり、「歴史がある企業にもかかわらず、後継者不足などで事業継続を断念するケースも見て取れる」という。

 347件の産業別では、サービス業などが109件(前年比85%増)で最多。建設業の92件(同77%増)、小売業の42件(同45%増)、製造業の31件(前年同数)、卸売業の29件(前年比6%減)、不動産業の26件(前年同数)などが続いた。情報通信業や農林漁鉱業、運輸業は前年を下回り3~5件と少なかった。

 市郡別では、和歌山市が151件(前年比37件増)で20年連続して最多。田辺市の31件(同8件増)、西牟婁郡の19件(同10件増)が続いた。西牟婁郡は過去10年間で最多だった。紀南関係ではこのほか、新宮市が16件(同3件増)、東牟婁郡も16件(同6件増)、日高郡が10件(同4件増)、御坊市が7件(同2件増)。

 倒産(90件)と合わせると437件となり、前年よりも93件増加。休廃業・解散の企業数と同じように過去20年間で3番目に多かった。

 同支店は「休廃業や倒産件数は当社のデータベースに登録されている企業で数えているが、それ以外にも数多くあり、新型コロナウイルスの影響はあると考えられる。全国的な自粛ムードなどで、今後さらに休廃業や解散の企業数が増える可能性はある」としている。