和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2021年08月06日(金)

気象データで栽培管理 田辺でスマート農業講演会

農研機構西日本農業研究センターの平岡潔志さんの講演を聴く農家ら(4日、和歌山県田辺市上秋津で)
農研機構西日本農業研究センターの平岡潔志さんの講演を聴く農家ら(4日、和歌山県田辺市上秋津で)
 和歌山県田辺市上秋津で4日、スマート農業に関する講演会があり、農研機構西日本農業研究センター四国研究所(香川県善通寺市)の平岡潔志さんが、気象観測データの分析に基づき栽培管理をすることの必要性を訴えた。昨年の梅不作にも触れ、1月の高い気温と4、5月の少雨を要因に挙げた。

 「秋津野の微気象観測について~果実生産のための気象観測~」と題する講演で、上秋津の農業法人やJA紀南、和歌山大学などでつくる共同事業体「和歌山県果樹農業スマート化実証コンソーシアム」が開いた。

 この事業体は昨年秋から「スマート農業」を実証するため、気温や雨量などの気象を観測するための装置を上秋津地区の20カ所に設置しており、平岡さんは指導役を務めている。講演会では地区の農家ら18人が聴講した。

 平岡さんは以前、和歌山県の果樹試験場や暖地園芸センターでも勤務して梅生育不良などの研究に携わっており、その頃に集めたデータを基に分析した結果を紹介。梅やミカンなど果実の生産で重要なこととして、樹木や土壌、気象を観測してデータを集め、分析した上で総合的に考えることを挙げた。

 昨年、梅が不作になった要因については、1月の気温が著しく高くなったことで、開花が早まり、不完全な花が多くなった▽4、5月の降水量が少なかったことで、果実の細胞分裂や肥大が抑制された―の2点を挙げた。その上で、「気温はどうしようもないが、4、5月の雨が少なかった時に水をやれば少しはよくなっただろう」と説明し、対策として水の管理の重要性を強調した。

 上秋津の農家らは、気象データを生かした栽培管理に乗り出したばかり。平岡さんは「安定した収穫につなげるため、集めたデータをグラフ化して活用してほしい」と呼び掛けた。