和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年04月20日(土)

SDGsをゲームで体験 田工高、経済や環境考える

グループで相談しながらプロジェクトを進める生徒(和歌山県田辺市あけぼので)
グループで相談しながらプロジェクトを進める生徒(和歌山県田辺市あけぼので)
 和歌山県田辺市の田辺工業高校でこのほど、SDGs(持続可能な開発目標)達成への過程を疑似体験するカードゲームを使った学習会があった。生徒はゲームを楽しみながら、経済や環境、社会の在り方を考えた。

 学習会は高校生に親しみのあるゲームで体験しながらSDGsの本質や世界とのつながりを知ってもらおうと企画した。情報システム科1年生40人が参加。カードゲーム公認ファシリテーターの西田拓大さん(白浜町富田中学校教頭)が講師を務めた。

 ゲームは4人1グループで「大いなる富」や「悠々自適」といった目標を達成するため、カードに書かれた「環境に良い物を買おう」や「交通インフラの整備」といったプロジェクトを進めていく。プロジェクトは達成すると、参加者全員の世界の経済や環境、社会の指数が変動し、作り出した2030年の世界があらわれる。

 ゲームは2部構成。前半は経済の発展が絶好調だったが、環境や社会は危機的な状況になった。そのことを踏まえて後半では経済は維持しつつ環境や社会に関係するプロジェクトを進めた。

 西田さんはスライドや動画を交えながら食用油や化粧品に使われるパームオイルを安く仕入れるために大規模な農園が必要になり、さまざまな国で森林伐採されていることを紹介し「世界はつながっており、一人一人が起点になっている。全ての国が一致して頑張らないといけない」と訴えた。

 また生徒はブロックを使って10年後の理想の世界について表現。自分の考えをグループ同士で対話し情報を共有した。

 西田さんは「SDGsが対話やつながりの手段になってくれればいい。若者だから気付くこと、できることがあると思う。自分で考えていろんなチャレンジをしてほしい」と呼び掛けた。

 杉原美優さん(16)は「中学校でSDGsについて学んだことがあったが、今回さらに詳しく知ることができた。30年に向けて大人たちがどんな活動をしているのか知りたい」と話した。