和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年12月12日(木)

プラスチックごみ 足元から対策を

 長野県で開かれた主要20カ国・地域(G20)エネルギー・環境相会合は、海のプラスチックごみ対策の国際的な枠組み構築に合意した。プラごみ流出のメカニズムを解明し、防止につなげるとしている。一方、プラごみ削減の具体的な取り組みは、各国の自主的な判断に委ねられることになった。

 プラごみが紫外線などで劣化して細かく砕けた「マイクロプラスチック」は、海の生態系に悪影響を及ぼすと懸念されている。ごみは海岸に漂着するだけではなく、その多くは海洋を漂っていたり、海底に沈んでいたりする。

 しかも、その大部分は私たちの生活の中から発生している。海洋汚染を防ぐには、その排出を抑制しなければならないのだ。

 国内では年間約900万トンのプラごみが発生している。リサイクル率は高いが、その大半が焼却による熱回収である。リサイクルを名目にした海外への輸出も多い。しかし最近、環境保護を理由に中国がプラごみの輸入を禁止したため、いま国内には未処理のプラごみがあふれている。

 国民1人当たりの使い捨てプラごみの発生量は、アメリカに次いで世界第2位。ごみになっているのは、食品容器やペットボトル、レジ袋など生活に身近な製品ばかりだ。

 リサイクルだけで問題は解決しない。ごみを減量すること、再び使うことも実現していかなければならない。

 まずできるのは、ごみを減らすこと。外出時はマイボトルに飲み物を入れて持ち歩くことを習慣にしたい。一人一人の工夫や配慮が、使い捨てプラスチックの削減につながる。

 企業と連携すれば、できることはさらに増える。産直店を運営する「プラス」(本社・田辺市宝来町)では、県の内外26店舗でレジ袋を有料化している。それが買い物客に定着し、9割の買い物客がマイバッグなどを持参してレジ袋の使用を断っている。12年間で約5230万枚のレジ袋を削減したという。

 しかしこの動きは、他の小売店にはなかなか広がらない。県内の事業者や市民団体、行政でつくる「わかやまノーレジ袋推進協議会」に参加している事業所でも、レジ袋を有料化しているのは1割にも満たない。

 これでは前途は暗い。国が来春から、全国の小売店でレジ袋の無料提供を禁じる法律を作ろうとしているのも無理はない。

 一方で、自治体が立ち上がった例もある。例えば、20年近く前から家庭ごみの減量に取り組んでいる徳島県上勝町では、容器包装ごみや食品ロス削減のため、必要な量を持参容器で購入できる「量り売り」の導入を図っている。

 プラごみを削減することは世界的な課題である。しかし、プラごみ問題が人間の営みから生まれた以上、人間が解決するしかない。自治体、事業所、家庭がそれぞれの立場でできることを今日から始めようではないか。 (K)