和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年04月25日(木)

反対意見相次ぐ 串本町議会、警察再編案で全員協

 県警が25日に発表した串本署を新宮署に統合する再編案を受け、串本町議会は26日に全員協議会を開いた。議員からは反対意見が相次ぎ、今後、署名活動などを行い、関係機関に反対の意思を伝えていくことで意見をまとめた。

 再編案では、来年4月から現在串本署が管轄する串本町と古座川町は新宮署、すさみ町は白浜署の管轄にし、現在の串本署庁舎は新宮署串本分庁舎(仮称)とし、運転免許証の更新業務以外の行政サービスは続けるなどとしている。県警は4月23日までパブリックコメントを募集している。

 全員協議会では田嶋勝正町長が再編案発表に至るまでの経緯を説明し、議員に意見を求めた。

 議員からはロケットの発射を控え、南海トラフ地震が心配される中「人を増やして当たり前の時期なのに理解できない」「存続のためにできる限りの方策を考えていくべきだ」などの意見が相次いだ。

 「パブリックコメントだけでは住民の意見を吸い上げることはできない」「住民をないがしろにしている。納得できない」と再編の進め方に憤る議員もいた。

 ある議員は、再編により地域の過疎化が加速すると述べ、管轄する地域の人口や犯罪件数だけでなく、面積も考えるべきだと主張。警察と各町消防との連携が低下するのではないかという心配の声もあった。現実的に考えると存続は厳しいとの観点から、免許証更新などの住民サービスを少しでも残してもらえるように要望していくべきだという意見もあった。

 議員の意見を受け、田嶋町長は近くすさみ、古座川両町の町長・議長と話し合い、区長会を早急に開いて、関係機関に住民の意思を伝えていくと述べた。