和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年11月13日(水)

「漁協の不正と県の責任」

 和歌山南漁協の補助金不正問題を巡るやりとりが18日の県議会であった▼質問したのは御坊市選出の楠本文郎議員。「地元紙が昨年4月27日付で報じたのを受け、田辺市が独自調査し、大きな問題となった。監督官庁としての責任は」と県を追及した▼これに対し、角谷博史農林水産部長は「漁協のチェック体制が機能していなかった」「理事、職員ともに法令順守意識が低かった」「組織としてのガバナンスが機能していなかった」などと答弁。さらに「悪質で巧妙な会計処理によるもので、組合の帳簿を中心にした検査では(不正を)発見することは困難だった」と答えている▼うとい話である。本紙がこの問題を特報したのは昨年4月。以来、今年の6月に田辺市が不正の全体像を明らかにするまでに、白浜町関連の不正を含めて20本近い告発記事を書き続けてきた。にもかかわらず、監督官庁の責任者は「不正を発見することは困難だった」という▼漁協が不正に手にした補助金には、県民の税金が含まれている可能性がある。県にもその使途を解明する責任があるはずだ。「漁協のチェック体制やガバナンスが機能していなかった」で済ませるのではなく、それが機能するように導くのが県の責任ではないか▼この問題は住民から大きな関心を呼び、田辺市は1年がかりで実態解明に尽くしてきた。県もまた、監督官庁としての責任の重さに思いをはせてもらいたい。(石)