和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2021年12月07日(火)

築120年の古民家改修 大工の滝本さん親子、住人の外国人も感謝

改修に当たった滝本静男さん(左)と則行さん。右は李先捷さん=和歌山県田辺市龍神村広井原で
改修に当たった滝本静男さん(左)と則行さん。右は李先捷さん=和歌山県田辺市龍神村広井原で
 和歌山県田辺市龍神村広井原にある築120年という古民家のリフォームを、龍神村湯ノ又で工務店を経営する滝本静男さん(85)と長男の則行さん(57)が手掛けた。4月からシンガポール出身の李先捷(リー・シエンジェ)さん(31)が住んでいる龍神村内でも珍しいかやぶきの古民家で、滝本さんは「先祖代々住んできた家を次の世代に残し、大切にしてもらいたいという思いで仕事をした」と話している。

 李さんは日本の政治に興味があり、早稲田大学に留学して日本語も習得。5年前に京都市で日本人と旅行会社を立ち上げてツアーを実施している。現在は、インターネットを活用したオンラインツアーも手掛けている。

 以前から茶に強い関心を寄せており、茶の文化の情報発信をしている森口周さん(69)=龍神村福井=と知り合ったことから龍神村を気に入り、移住を決めた。

 住まいに決めた古民家は、床を歩いたら一部が抜けるほどシロアリの被害で傷みが激しかった。そこで、古い建物の構造や値打ちが分かり、信頼のおける地元のベテラン大工である滝本さん親子に改修を依頼した。

 滝本さん親子によると、床下から改修を始め、龍神村産のスギやヒノキで老朽化した床や壁なども新しくした。もともと使われていた柱などを見ると、当時建てた大工の仕事ぶりがきっちりしていたことが分かったという。

 滝本さんは「昔の人が心を込めて建て、住んだ人が代々大切に残してきた家なので、この先50年、100年も丈夫であるようにと思った。龍神村を気に入って住んでくれた外国人の青年のために、できるだけのことはさせてもらった」と話している。

 李さんは「素晴らしい仕事をしてもらって、とてもありがたい。古民家がきれいになって、いろりも作ってもらった。将来は茶会や、お茶を出すカフェもやりたいと考えている」と喜んでいる。