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2022年07月05日(火)

串本署存続を知事らに要望 管轄の3町と22団体

和歌山県の仁坂吉伸知事(右)に要望書を手渡す田嶋勝正町長=和歌山県庁で
和歌山県の仁坂吉伸知事(右)に要望書を手渡す田嶋勝正町長=和歌山県庁で
 和歌山県の串本と古座川、すさみの3町の町長と町議会議長が27日、警察署の再編案で新宮署への統合が示された串本署について、存続を求める要望書を仁坂吉伸知事らに出した。串本地区警察官友の会など串本と古座川の両町内にある22団体も連名で、存続を求める別の要望書を提出。串本町の田嶋勝正町長は「県議会6月定例会では関連予算が計上されると聞いており、地域の声を十分にくみ上げた議論をしていただきたい」と話している。


 県警が来年度の実施を目指して3月に示した再編案は串本署が管轄する串本町と古座川町は新宮署、すさみ町は白浜署の受け持ちにする。串本署を新宮署に統合し、現在の庁舎は新宮署串本分庁舎(仮称)とするが「これまで通り、パトロール活動、さまざまな事件・事故や災害への対応および住民サービスを継続する」としている。

 県警が再編案を示したことを受け、田嶋町長の呼び掛けで3町で対応を協議。5月17日に開いた会議で、仁坂知事らに要望書を提出すること決めた。この会議には、民間から串本地区警察官友の会の小森正剛会長も出席。3町の要望に合わせ、存続の要望に賛同する団体を募って要望書を出すことになったという。

 県庁には3町の首長や町議会議長、小森会長らが訪れ、仁坂知事のほか、岸本健県議会議長、県議会経済警察委員会の堀龍雄委員長、自民党県議団の藤山将材会長に要望書を提出した。

 3町の町長と議長の連名による要望書は、再編案について「串本署管内に暮らす住民の防犯、交通安全および防災対策面における危機感と不安感は何ら払拭(ふっしょく)されていない」と指摘。その上で「特に串本町と古座川町の住民にとっては、安全安心を守る串本署の機能縮小という非常に大きな問題であるにもかかわらず、一方的に再編を進めようとする県警の姿勢に、多くの住民は憤りと不信感を募らせ、大きく失望している」などと訴えた。

 さらに「すさみ町においては、紀勢自動車道すさみ南インターが所在する江住駐在所の廃止に対し、地域住民は大きな不安を抱いている」とし、串本署の存続と江住駐在所の体制維持を求めた。

 串本町では田嶋町長が28日、要望書を提出したことを町議会で報告。「この再編計画はどれだけ内部で議論されたか分からないが、外部に出てからあまりにも議論の時間がなくて拙速過ぎる。22団体の要望書は重く、それだけ、進め方には問題があると町民が言っているということを強く要望した」などと述べた。

 警察官友の会の小森会長も紀伊民報の取材に対し「地域にはお年寄りも多く、治安の面も考えると不安だという気持ちも皆さんある」と話した。