和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年12月16日(月)

目前の参院選 希望ある明日に投票を

 参院選が4日に公示、21日に投開票される。「老後資金2千万円問題」で浮かび上がった「将来不安」にどう対応するのか。消費税増税の先に何が待つのか。私たちの生活に直結した争点に、有権者が判断を下す選挙となる。

 「2千万円問題」の背景には有権者の不満と不安がある。高齢者は「子どもに迷惑をかけずに暮らしていけるか」と悩み、現役世代は「子どもを大学に進学させられるか」「年老いた親をどう支えるか」と悩んでいるのに、ともに個人の努力だけでは限界がある。

 日本の総人口は減少し、逆に高齢化率は上昇し続けている。国立社会保障・人口問題研究所によると、2024年には3人に1人が65歳以上、6人に1人が75歳以上になる。一方で、社会を支える勤労世代は減少が続く。

 国民生活基礎調査によると、要介護者が70代までは「老老介護」の状態が多い。70代を介護する人は48・4%が70代である。ところが、要介護者が80代になると、介護者は50代が30%を超え、最も多くなる。介護が配偶者から、子ども世代に移るためである。

 高齢者数がピークを迎えるのは2040年ごろ。団塊の世代に次いで多い「団塊ジュニア世代」が高齢者となるためだ。ところが、その世代は「就職氷河期世代」でもあり、安定した職に就けず、低賃金のまま年齢を重ねてきた人が少なくない。その結果、自身の子育てと老後の不安を抱えている。

 そこに親の介護も委ねなければならない状況だが、そうした人たちをどう支援していくのか。国として個人の人生設計にまで介入することは難しいが、せめて就労支援や新たな社会保障の設計図ぐらいは打ち出してもらいたい。

 参院議員の任期は6年。3年ごとに半数を改選し、今回は選挙区74、比例選50の計124議席を争う。非改選議席と合わせ、選挙後の総定数は245。今回の選挙で改選されるのは半分だが、これまでも参院選の結果によって与野党の勢力図は変わってきた。

 自民党は過去2回の勝利で単独過半数を確保している。しかし、6年前に自民党は65議席を獲得しており、3年前の56議席と同じ程度の勝ち方では、今回は議席を減らすことになる。

 鍵を握るのは、32ある定員が1人の「1人区」だ。過去の選挙を見ても、自民党の1人区の勝敗が、選挙全体の結果に直結している。

 和歌山選挙区もその1人区。自民現職で経済産業相の世耕弘成氏(56)と無所属新顔で「野党統一候補」、元和歌山弁護士会会長の藤井幹雄氏(58)の2人が出馬を表明している。各候補者、政党は選挙戦で「今日より明日はもっと良くなる」と希望を持てる具体策を示してほしい。

 望む未来は向こうから歩いてはこない。有権者は投票所に足を運び、少しでも自分の思いに近い方を選ぼう。それがこうした不安を打ち払い、閉塞(へいそく)した状況を突破する第一歩となる。
(K)