和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年08月18日(日)

「小学生の減少」

 手元に衝撃的な資料がある。田辺市教委が市内で学ぶ小学生数を年代ごとにまとめた資料である▼今年5月1日現在の数字を見てみよう。市内には、合併前の田辺市と龍神村、中辺路町、大塔村、本宮町を合わせて25の小学校があり、計3629人が在籍している。しかし、1955(昭和30)年には、同じ地域で合計1万2856人が学んでいた。市内の小学生数は、戦後のベビーブームが一段落した64年前と比べても3割以下にまで減ったのだ▼これでは地域も衰退するし、未来への展望も描きにくい。住んでいる人たちが「明日の夢より今日の平安」を願う気持ちも理解できる。そうした気持ちが巡り巡って、新たな挑戦に戸惑う若者も増えているのだろう▼当たり前のことだが、小学生が減るのは地域の未来を担う人材が減ることに通じる。そうなると、国政に地域の声を反映させることも難しくなるし、国政もより人口の多い大都市圏を優先した施策に力点を置く▼そうした状況で地方の過疎化、高齢化が進行し、地方の視点を大切にする政治家の絶対数も減ってきたのではないか。地方に住む者にとって、それは死活問題である▼4日、参院選が公示された。そこでは多様な争点が想定されているが、僕はこうした地方と大都市圏との格差を理解し、本気で地方のことを考える人を優先して選びたい。それが地方を勇気付けるための第一歩になると確信している。(石)