和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年10月16日(水)

「あいが、そいで、こい」

 田辺市で撮影された映画「あいが、そいで、こい」(柴田啓佑監督)が田辺市と東京・新宿の映画館で上映されている。イルカの調教師を目指す女子留学生と地元高校生との青春物語だ▼柴田監督は2012年、田辺・弁慶映画祭に参加するため初めて田辺市を訪れ、ここで映画を撮りたいと思ったという。昨年、念願かなったが、ロケの直前に台風の高波でイルカのいけすが壊れて製作の危機に。クランクアップ4日前に代わりのいけすが設置され、何とか撮影を続けることができた▼それにしても、なぜ田辺の方言がタイトルになったのか。監督は「高校時代、あれが、それで、これ、といった何でもないことで盛り上がった。その楽しかった日々が後になってきらめきを持つのではないか考えていた。それを田辺の方言に置き換えた」という。もちろん愛と恋を連想させる意図もある▼昨年11月の映画祭で上映されたが、その後、新たな編集が加えられた。「2度目の映画」となった今回は主人公やヒロインに加え、脇役にも引かれた。車が通らない夜中でも横断歩道の赤信号を守る真面目な青年。世話女房のような幼なじみの同級生。それぞれに身近な人の姿が重なってくる▼田辺の海や街の情景は首都圏の人たちにどう映っているのだろうか。田辺弁のせりふは聞き取れるのだろうか。そんな心配もしながら鑑賞した。田辺市での上映は11日まで、新宿は12日まで。(長)