和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年12月16日(月)

「農協よ!」

 週末の本紙2面「農協の6割、本業で赤字」という記事は衝撃的だった。おおむね次のような内容だったが、その意味するところは大きい▼農水省の調査では、2017年度は(1)全国657農協のうち381農協(58%)が農産物や生産資材の販売など本業関連の事業で赤字。農家への営農指導事業を含めれば総額は1539億円になる(2)貯金やローンなどを扱う信用事業と民間の保険に相当する共済事業を合わせた金融部門は計3831億円の利益を確保しており、農協の事業全体では1956億円の黒字となった▼一方、低金利で資金運用が厳しくなっていることから金融・共済事業の黒字が減少傾向となり、将来的には農協の経営が難しくなる懸念がある。だから今後は、本業が好調な農協の経営や収益事業の状況を参考に経営改善を促すという▼端的に言えば、農協はいま本業の農業関連事業や営農指導だけでは成り立たず、頼みの金融・共済事業も、歴史的な低金利時代では打ち出の小づちではない。本業の好調な農協に見習って経営改善を図らなければならないというのだ▼当然と言えば当然である。「農家による農家のための農協」としての役割を考えれば、本業で利益が出るようにするのが一番である。そこを基本に経営の在り方や事業展開を発想し、生産者本位の方策を考える。難しくても、そこをおろそかにしたままでは農家の支持は得られないだろう。(石)