和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年12月12日(木)

「自然から学ぶ」

 先日のこの欄でカラスノエンドウをピーピー豆と呼んでいたと書いたら、読者の方から電話があった。子どもの頃、草木の葉や実で遊んだことを思い出し、懐かしかったそうだ▼当時の話を聞かせていただくうちに、僕も同じように遊んでいたことを思い出した。松葉をからめて引っ張り合ったり、ソテツの葉で手裏剣を作ったりした。イネ科のジュズダマで首飾りやお手玉も作った。ウラジロを紙飛行機のように飛ばす遊びにも熱中した▼記憶をたどると、身の回りのものを手当たり次第、遊び道具にしていた。おかげで、いまも豊かな自然が残っていることの幸せと大切さを、身近なこととして感じることができるように思える▼ところが、昨今は遊び方が多様化し、こうした遊びに熱中する子が減っているそうだ。田辺市中芳養小学校が数年前から続けている校外学習の案内役を務める元中学校長、新谷育生さん(67)は「都会に比べて豊かな自然があるのに、その中で積極的に遊ぼうとはしない」と話す▼同校では「中芳養博士になろう」をテーマにして1、2年生が年3回、季節の植物や生き物を見つける学習をしている。「自然に触れ、自分で何かを見つける喜び、感動を味わってほしい」と新谷さん▼担任の教員と連携して子どもの好奇心、探究心を育てようと力が入る。自然のありがたさを知り、生きる力を育むことにもつながる。広げたい取り組みである。(沖)