和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年09月19日(木)

「投票率低迷」

 先日の朝日新聞川柳欄に「投票に行かぬ親たち子らは知り」という句があった。なるほどと膝を打ちながら、さて、今回の参院選の投票率はどうかと注目していた▼この原稿を書いている時点では、全国の投票率は公表されていないが、和歌山選挙区の投票率は50・42%。「親も行かない、子も行かない」家庭も相当あったと推測される▼いつごろから参院選の投票率が低迷するようになったのか。平成以降の投票率を調べると、1989(平成元)年7月の選挙が70・22%で一番高い。自民と社会の候補がともに20万票以上を獲得。3位の共産候補が8万票近い票を獲得しており、選挙は大いに盛り上がったのだろう▼しかし、それ以降は1998年に63・47%を記録しただけで、あとは軒並み50%台。同じ98年の補欠選挙では46・61%しかなかった。今回もそれに準じるような低さである▼日々の暮らしからこの国の政策決定の在り方まで、今回の参院選で問われたことは数多い。多くの有権者にとっては、人ごとではない年金問題や消費税の値上げについても論争があった▼にもかかわらず、有権者のほぼ半数が選挙権を行使しなかった。民主主義の根幹をなす「主権在民」が形骸化し、有権者の半数近くが棄権した選挙で選ばれた議員が向こう6年間、この国のかじ取りを担うのである▼その重大性を主権者はどこまで考えたうえでの棄権だろう。残念なことである。(石)