和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年09月20日(金)

田辺工業 悔いが残った夏

一塁を守りながら、仲間に声を掛けて励ます中家大輔(23日、紀三井寺球場で)
一塁を守りながら、仲間に声を掛けて励ます中家大輔(23日、紀三井寺球場で)
 熊野との3回戦、主将で3年生の中家大輔(17)は「悔しい。バッティングで『自分が何とかしてやろう』という気持ちが前に出過ぎて、空回りしてしまった」と試合を振り返った。

 中家は1年生の秋から捕手を任されたが、1年後に肩をけがしてしまう。復帰して調子が上がってきた今年5月には、練習試合で打者のバットが手に当たるアクシデントで中指を骨折。今大会では捕手を1年生の横畑太洋(15)に任せ、主に一塁手として出場した。

 稲垣友輔監督(38)は「自分の調子が悪いときや、けがで大変なときもチームのために動ける選手。声でチームを引っ張ってくれる」と高く評価する。

 初戦の2回戦は延長13回のサヨナラ勝ち、最高のムードで熊野戦を迎えた。4回に1点を先制された場面で、中家は投手で2年生の寒川陽翔(16)に駆け寄り「落ち着け。点は取ったるから」と声を掛けた。その後も一塁を守りながら「周りを見ろ」「後ろは守っているぞ」と励まし続けた。

 1点を追い掛ける展開で、スタンドでは母の和代(48)が「みんなに支えられてここまできた。諦めずに頑張れ」と声援を送った。

 しかし、田辺工業の打線がつながらない。「勢いに乗ったら止まらない攻撃」がチームの強みだが、数少ない得点のチャンスを生かすことができなかった。中家は無安打。「試合に出られなかった子の分まで頑張りたかったのに」と唇をかんだ。

 中家は後輩に向けて「来年は悔しい思いをせんように、練習から全力で頑張ってほしい」と思いを述べた。(敬称略)