和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2021年12月01日(水)

機能性成分含有の「八升豆」栽培に取り組む 紀南の有志グループ

棚を仕立てた畑で収穫期を迎えた八升豆(和歌山県上富田町生馬で)
棚を仕立てた畑で収穫期を迎えた八升豆(和歌山県上富田町生馬で)
収穫した八升豆
収穫した八升豆
 和歌山県の上富田町などの有志グループが、種子にパーキンソン病に有効とされる機能性成分のL―DOPAを多く含む「八升豆」の栽培に取り組み始めた。栽培の手間が比較的かからないため、耕作放棄地を活用して栽培を広げたり特産品にしたりできないかと考えている。


 八升豆はインド原産のマメ科ムクナ属で、一年生のつる性植物。生育旺盛で高温乾燥や病害にも強く、以前、県農業試験場でも栽培を研究したことがある。5月ごろに種をまき、11月ごろ収穫期を迎える。

 梅加工販売会社「紀州ほそ川」(みなべ町晩稲)は、わかやま産業振興財団の助成を受け、八升豆を使用した健康食品の開発と事業化に取り組んできた。みなべ町や田辺市にある自社農園や農家が栽培しているほか、熊本県などから仕入れた国内産の八升豆を粉末の製品として販売しており、需要は伸びているという。今年から、上富田町内など関心を持った有志の人らが同社から種を譲ってもらい、できた豆は同社に買い取ってもらう計画で試験的に栽培を始めた。

 グループの世話役をする上富田町朝来の家根谷美智子さん(53)によると、現在有志メンバーは上富田町内のほか田辺市などの11人。農家や兼業で畑を作っている人が、耕作放棄地やビニールハウスの骨組みを活用するなどして栽培しており、10アールくらいの畑で作っている人もいるという。

 同町生馬の平美夫さん(76)は耕作放棄になっていた2アールの畑を借りて作り始めた。棚を仕立て、元肥や土壌改良材などを入れたほか、雑草よけにマルチシートを敷くなどしたが、農薬散布はしなかったといい、10月に入って採りだした。平さんは「風で棚が倒されないようにする対策が課題だが、手間はかからない。うまくできたと思う」と話す。

 家根谷さんも「需要と販売先があり、栽培の手間がかからないので、年配の人でも互いに情報交換して交流し、楽しみながら作ることができ、耕作放棄地対策として良いと思う」と話す。

 紀州ほそ川の細川達矢社長(35)は「八升豆は栽培しやすい作物で畑を守る意義もある。少しでも農家の収入ややりがいにつながれば」と話す。