和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2021年11月28日(日)

陸上養殖のクエタマ試験販売 11月1日からみなべ町漁業生産組合

出荷サイズの2キロ以上に育ったクエタマ(和歌山県みなべ町堺で)
出荷サイズの2キロ以上に育ったクエタマ(和歌山県みなべ町堺で)
 和歌山県のみなべ町漁業生産組合(小谷繁組合長)は11月1日午前11時から、直販所(みなべ町堺)で、陸上の水槽で養殖したクエとタマカイの交雑種「クエタマ」の試験販売を始める。白浜町の近畿大学水産研究所が技術支援している。クエタマの陸上養殖は全国でもほとんどなく、高級ハタ類の養殖研究の発展や地域水産業の活性化が期待されている。価格は重さ2キロ級で1キロ当たり5500円(税込み)。


 クエタマは高級魚クエと南方系で成長の早いタマカイを交配して2011年に近大が作出に成功した。クエの淡泊で上品な味わいを残し、クエよりも成長が早いことから、新たな養殖魚として注目されている。白浜町の海上いけすで飼育されるクエに比べ、およそ2倍の速さで成長しており、2年ほどで2~3キロの販売サイズに育った。

 漁業生産組合は19年から、稚魚から成魚までを陸上の水槽で飼育する共同研究を水産研究所白浜実験場と始めた。成長や生残、飼料効率などの技術的課題の洗い出しと、地元漁業者によるクエタマの陸上養殖の可能性などを検証している。

 現在飼育しているクエタマは、19年6月に近大水産養殖種苗センターすさみ事業場でふ化した約500匹。同年8月から研究のため、紀州日高漁協南部町支所の施設の一部を借りて飼育を始めた。

 当初は約8トンの海水が入る繊維強化プラスチック(FRP)製の円形水槽4基だったが、成長とともに増やして現在は11基に収容している。水槽には梅用のたるを再利用している。

 今回は生き残りが多く、出荷サイズに達する個体が出始め品質面でも良好だったことから、試験販売することにした。

 小谷組合長は「こんなに早く立派に育ってくれてうれしい。2キロ級でも脂が乗っていて食べ頃。多くの地元の人にも食べてもらってクエタマの良さを知ってもらいたい」と話している。

 問い合わせは小谷組合長(090・5164・2400)へ。