和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2021年12月04日(土)

ジオパークのガイドツアー始まる 推進協、串本では潮岬探訪

ガイドツアーで案内役の上野一夫さん(中央)から「枕状溶岩」について説明を受ける参加者=和歌山県串本町潮岬で
ガイドツアーで案内役の上野一夫さん(中央)から「枕状溶岩」について説明を受ける参加者=和歌山県串本町潮岬で
 南紀熊野ジオパーク推進協議会は3日から、「紀の国わかやま文化祭2021」(10月30日~11月21日)の特別連携事業として、ジオパークエリア内の見どころをガイドと一緒に巡るツアーを始めた。初日は和歌山県串本町とすさみ町、白浜町の4カ所であり、計52人が参加。ガイドツアーは20日までで、各地で13種類計18回を予定している。

 「南紀熊野ジオパークガイドツアー2021」は、南紀熊野ジオパークガイドの会のメンバーに案内してもらいながら、普段は近づけない秘境を探索したり、身近な場所でもあまり知られていない話を聞いたりして地域の新たな魅力を発見してもらおうという催し。

 3日に串本町潮岬であったガイドツアーは「化石から知る大地の成り立ち サツマイモ『なんたん蜜姫』と潮岬の火成岩」とのテーマで開き、県内から6人が参加。ガイドの会の上野一夫会長(73)が案内役を務めた。

 参加者はまず南紀熊野ジオパークセンターや潮岬灯台周辺を散策し、上野さんから1500万年前に発生した海底火山の噴火によってできた「枕状溶岩」や機銃掃射の跡が今も残る戦跡などについて教わった。

 潮御崎神社では、スタッフとして同行したジオパークセンターの福村成哉・副主査研究員(31)が潮岬の大地が平らである理由について地層を見ながら解説。「波の力によって平らに削られた海岸が隆起するなどし、段状になった所に畑ができたり、家が建ったりしている」と述べ、火山に由来する玄武岩のほか、流紋岩も見られると説明した。

 続いて化石収集家の左向幸雄さん(69)=串本町=が潮岬につくった「化石資料館」を訪問。館内には左向さんが地元や国内外で集めた約700点の化石がずらりと展示され、参加者は驚きながら興味深げに観察していた。

 その後は、この地域で栽培が盛んな「なんたん蜜姫」の畑を見て、すぐ近くにあるカフェ「なんたん屋」に移動。福村さんが「カリウムやナトリウムが多い流紋岩と、マグネシウムやカルシウムが多い玄武岩が、潮岬の平たい大地が波の力で削られてできた際に一緒に削られて混ざった。普通の場所は流紋岩か玄武岩だけなので、一緒にあるというのは珍しい。それが風化して栄養分の多い畑となり、なんたん蜜姫のおいしさの理由になっているのでは」と話し、参加者はこのサツマイモを使ったどら焼きやガトーショコラなどに舌鼓を打った。

 那智勝浦町から参加した女性(40)は「地質や歴史の話がとても面白かったし、化石の展示は種類の多さにびっくりした。なんたん蜜姫のおいしさも勉強になった」。串本町の男性(73)も「長く住んでいるが初めて聞いた話もあって面白かった。7日もツアーに参加する予定なので楽しみ」と笑顔を見せた。

 上野会長は「コロナ禍が落ち着いてきて、やっとガイドツアーを開催でき大変うれしい。1500万年前に大きな海底火山活動があり、それがおいしいサツマイモが採れることにもつながっていることを覚えておいてほしい。これからもツアーを楽しんでいただけるよう頑張りたい」と話していた。

 ガイドツアーについては、開催日の1週間前まで南紀熊野ジオパーク推進協議会のホームページなどから申し込める。

 問い合わせは南紀熊野ジオパークセンター(0735・67・7100)へ。