和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年11月14日(木)

白浜で国内未確認のクラゲ 東京の兄弟が採取、新種記載準備

和歌山県白浜町で採取された日本未確認の小形クラゲ
和歌山県白浜町で採取された日本未確認の小形クラゲ
 和歌山県白浜町の綱不知湾で、日本で未確認の小形クラゲが採取された。採取したのは東京都文京区の杉本凌哉君(14)=中学2年生=と拓哉君(11)=小学5年生=の兄弟。オーキストマ属の一種で、新種の可能性が高く、凌哉君が新種記載に向けて論文を準備している。

 2017年8月に白浜町の京都大学瀬戸臨海実験所であったクラゲのイベントに参加し、当時同大学准教授だったベニクラゲ再生生物学体験研究所(白浜町)の久保田信所長と知り合った。18年7月、同研究所のオープンイベントに参加した時、久保田所長から教えてもらった海域で今まで見たことのないクラゲを多数採取した。かさの直径は大きなもので2センチ足らず。

 久保田所長にも確認したが見たことがなく、日本の図鑑にも該当する種がなかったため、フランスからクラゲ図鑑を取り寄せた。そこに非常に似た特徴を持つ種を見つけ、オーキストマ属ではないかと推測。日本の研究者に知られていない種だと思ったため、スミソニアン博物館(米国)の知人にDNA解析を依頼した。その結果、国内未確認のオーキストマ属の一種で間違いないことが分かり、形態的にこれまで見つかっていない種類であることが確認された。

 杉本兄弟は今年も7月中旬に白浜町を訪れ、同じクラゲを採取した。6月には静岡県であった国際ヒドロ虫学会で、このクラゲについて発表し「最優秀学生ポスター賞」を受賞した。

 現在、凌哉君はさまざまな人の協力を得ながら英文で論文を作成中。「本当にびっくりした。論文を作るのは、ものすごい手間がかかり、研究者の大変さも分かった」と話す。拓哉君も「うれしい。まさかという感じ」と喜んでいる。