和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2022年05月18日(水)

自分のスタイルで勝負を 次世代農家が戦略語る

独自の販売戦略や今後の事業展開について話す中出達也さん(右端)ら=和歌山県田辺市湊で
独自の販売戦略や今後の事業展開について話す中出達也さん(右端)ら=和歌山県田辺市湊で
 30~40代の個性派農家3人によるトークイベント「Next Agri(ネクスト アグリ)フュージョン」(南紀みらい主催)が25日、JR紀伊田辺駅前の田辺エンプラス(和歌山県田辺市湊)であった。独自の戦略でそれぞれ道を開いてきた3人は「代々やっている農家も新規就農も、自分に合うスタイルで勝負すればいい」と呼び掛けた。

 出演したのは高級水ナス農家で、ぬか漬けを商品開発し、販売まで手掛ける中出農園(大阪府)の中出達也さん(33)、田辺市上芳養の農家で株式会社を立ち上げ、ジビエの活用や耕作放棄地の解消などにも取り組む岡本和宜さん(42)、上富田町市ノ瀬の農家イタリアン「Sorriso(ソリッソ)」の田上太輝さん(35)。

 3人に共通しているのが、デザインを重視する姿勢。インターネット通販を手掛ける中出さんは「デザインの力はすごい。素人が自分でサイトを作っても本業の時間が削られるだけ。不得意な部分はプロに任せる方がいい」と強調した。

 数々のメディアで取り上げられた中出さんは「テレビ取材が来るのはたまたまではない。戦略的に呼び込んでいる。競合が少なく、かつテレビマンが好みそうなキーワードで検索されるようにしている。取り上げやすいコンテンツもそろえている」と独自のメディア戦略を披露した。

 中出さんは「後継者不足で、毎年のように廃業する漬物屋が出ている。水ナス業界を守るため、こうした事業者の買収を進めたい」、岡本さんは「果樹は収益を得るのに年数がかかる。廃業する農家があれば農地を借り、新規就農者の受け入れ先を確保したい」、田上さんは「農産物を味わってもらうだけでなく、生産の過程を体験するグリーンツーリズムにつなげたい」と今後の展望を語った。

 イベントには農家や飲食店の経営者ら約20人が参加。会場から新規事業を始める際の助言を求められた中出さんは「みんな失敗を恥ずかしいと思っているけれど、そんなの誰も見ていない。びびらずに挑戦して」とエールを送った。