和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月09日(月)

ミカンの産出額6年連続全国一 和歌山県、販売単価は9位

選果機にかけられる温州ミカン(和歌山県田辺市下三栖で)
選果機にかけられる温州ミカン(和歌山県田辺市下三栖で)
 和歌山県は、県内産温州ミカンの2020年度産出額は前年度より16億円多い292億円で、6年連続全国一になったと発表した。生産量も17年連続全国一だが、1キロ当たりの販売単価は3年連続で減少し、全国9番目となっている。


 産出額は販売単価から流通に関係する経費を除いた額と、生産量を掛け合わせた額。2位は愛媛県の256億円、3位は静岡県の202億円だった。

 京浜、京浜衛星、名古屋、京阪神の四大市場平均の販売単価(税込み)は242円で、全国9位だった。1位は三重県の307円、2位は宮崎県の305円、3位は徳島県の298円。

 和歌山県の産出額は、13年度まで4年連続全国一だったが、14年度に2位に下降。産出額を上げるためには、販売単価の向上を目指す必要があるとし、県は15年度から、JAグループと連携し、一定基準以上の糖度を厳選して出荷する事業を開始した。

 これにより、15年度の単価は、14年度の191円(全国8位)より43円高い234円(8位)に上昇し、17年度の304円(4位)まで上がった。しかし、その後3年連続で低下した。

 20年度産は前年度より2円下がったが、生産量が1万500トン増加したため、産出額も増えたとみられる。

 単価は全国9位と高くないが、県によると厳選出荷を含めたJA出荷分に限れば、上がっており、厳選出荷の効果は出ているという。

 県は引き続き、厳選出荷を徹底していくほか、優良品種への改植や、天候に左右されず、高品質生産が可能なマルチ栽培を推進することで「生産量、販売単価、産出額の3指標の日本一を目指していく」としている。