和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2022年05月28日(土)

自宅・宿泊療養開始へ コロナ感染拡大で全員入院転換、和歌山県

「自宅療養」に備えた協定調印式で、署名する和歌山県の仁坂吉伸知事(左)と県医師会の平石英三会長(右)=17日、和歌山県庁で
「自宅療養」に備えた協定調印式で、署名する和歌山県の仁坂吉伸知事(左)と県医師会の平石英三会長(右)=17日、和歌山県庁で
新型コロナウイルスの自宅療養者に和歌山県が配布する注意事項
新型コロナウイルスの自宅療養者に和歌山県が配布する注意事項
 和歌山県の仁坂吉伸知事は18日の定例記者会見で、新型コロナウイルス感染者の急増で、全国で唯一堅持してきた無症状や軽症を含めた「全員入院」が維持できなくなった、と表明した。17日時点の「入院待機者」は273人。「できれば全員を入院させたいが、現実的には無理。残念ではあるが、次はベターなことを考えないといけない」と話した。今後、自宅や宿泊施設で療養となる人が増えてくるとみられる。

■県が医師会と協定

 県は病床を620床まで拡大させたが、それでも病床が逼迫(ひっぱく)しているため、軽症や無症状で悪化する恐れの少ない人に、自宅や宿泊施設での入院待機を求めている。

 宿泊療養施設では医療従事者が対応しているが、自宅での入院待機者や療養者にも安心して療養できる環境を確保するため、県は17日、県医師会と協定を締結。保健所の手が回らない場合、かかりつけ医らに電話などで容体の観察や医療の提供をしてもらえるようにした。調印式は知事室であり、仁坂吉伸知事と県医師会の平石英三会長が協定書に署名した。

 仁坂知事は「(年明けの)感染者数の増え方が尋常ではないと思っていたら、もっとすごいことになり、自宅(療養)を使わないと駄目だと思った。医師会の協力をお願いしたい」と求めた。平石会長は「県内でも爆発的に感染が広がっている。自宅療養者に安心していただくため、県医師会が一丸となって、かかりつけ医を中心に協力していく」と約束した。

■新規感染者122人 5日連続3桁

 県は17日、県内で新たに122人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。

 1日当たりの感染者(発表人数)は12日が93人、13日が117人、14日が149人、15日が157人と4日連続で過去最多を更新。16日も最多タイの157人。17日になって減少したが、それでも5日連続で100人超が続いている。

 県福祉保健部の野尻孝子技監は「まだまだ感染は止まる状況ではない」との認識を示した。

 17日に発表された新規感染者の保健所管内別は和歌山市67人、岩出11人、田辺と湯浅が各10人、橋本9人、海南7人、御坊4人、新宮3人、県外在住1人。

 田辺で確認されたのは、幼児から80代まで幅広く、家族内感染とみられるのが8人、すでに発表されている感染者と同じ職場の人が1人、これまでの感染者と関連が判明していない人が1人。

 さらに、3回目のワクチン接種者でも1人の陽性が分かった。70代男性で、県が確認したのは初めてという。

■5保健所管内で最多更新 人口当たり感染者

 直近1週間の人口10万人当たり感染者数は89・7人。過去最多となった。保健所別では和歌山市116・9人、岩出114・4人、橋本89・4人、湯浅88・6人、海南45・5人となり、それぞれ過去最多となった。田辺は59・3人だった。

 新たなクラスターは2件。和歌山市の市医師会看護専門学校ではこれまでの発表と合わせ学生6人の感染が分かった。実習していた病院1施設の関係者を検査している。もう1件は同市の和歌山労災病院で、同じフロアの入院患者5人の感染が分かった。

 すでにクラスターに認定されている、湯浅保健所管内で開かれた地域の相撲クラブなどの合同練習では新たに4人の感染が判明、22人のクラスターとなった。うち箕島高校(有田市)が教員含め13人、箕島中学校(同)が5人などとなっている。

 17日午前10時現在の入院者は552人、病床使用率は89・0%。重症者は1人増えて4人となった。オミクロン株の陽性者は34人が新たに確定し、37人となった。疑いを含めると212人となっている。