和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2022年08月10日(水)

梅の里でキンカンたわわ 連日収穫に追われる

黄色く色づいたキンカンを収穫する農家(27日、和歌山県みなべ町東岩代で)
黄色く色づいたキンカンを収穫する農家(27日、和歌山県みなべ町東岩代で)
 和歌山県みなべ町の岩代地域や上南部地域で、たわわに実ったキンカンが黄色く色づいている。農家が連日、収穫作業に精を出しており、3月上旬まで続く。

 岩代地域では農家5軒が、特産の梅を主体にしてキンカンも栽培している。畑は主に小高い山の南向き斜面にある。南向きだと暖かくて霜も降りにくく、実が甘くなるという。

 東岩代の松川哲郎さん(63)方では約23アールの畑でキンカンを栽培しており、今季は年明けから収穫を始めた。妻の薫さん(63)や手伝いの3人とともに毎日、黄色く色づいた実を選んで収穫している。秀品は料亭用として葉付きで地元業者に販売し、そのほかは県内外の小売店やクラフトビール製造会社、アイスクリーム店などに出荷している。インターネットを使った通販もしている。傷がある実は冷凍保存し、地元の農家仲間の女性3人でマーマレードや甘露煮に加工する。田辺市内や県外の市場に出荷する農家もいるという。

 薫さんによると、今季は虫の被害と思われる傷が付いた果実がある程度ある。鳥などによる食害を防ぐため、畑全体をネットで囲っているが、サルの被害も出ている。しかし甘く、濃厚な味に仕上がっているという。

 松川さんは農家3代目。先代の頃、かんきつ類のうち、温州ミカンやハッサクを梅に替えたが、キンカンは残した。薫さんは「収穫は大変だが、栽培管理はそんなに手間がかからず、売り先もある程度ある。樹齢は80年ほどになるが、これからも大事にしていきたい」と話している。

 キンカンは、まるごと口に入れ、種だけ出す食べ方が一般的。マーマレードやシロップなどに加工しても人気がある。