和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年04月20日(土)

ミニトマト収穫本格化 みなべや印南町、味の良さで人気

真っ赤に色づいたミニトマトを収穫する農家(和歌山県みなべ町堺で)
真っ赤に色づいたミニトマトを収穫する農家(和歌山県みなべ町堺で)
 和歌山県のみなべ町や印南町でミニトマトの収穫が本格化している。JA紀州を通じて出荷されるブランド「赤糖房(あかとんぼ)」「優糖星(ゆうとうせい)」「王糖姫(おとひめ)」は、味の良さでとりわけ人気がある。収穫は6月下旬まで続く。


 JA紀州に出荷する農家は両町で95軒あり、栽培面積は計13・7ヘクタール。全てハウス栽培でこのうち、糖度が高いと評判の品種「キャロルセブン」のブランド「赤糖房」と「優糖星」が8割以上を占める。

 ミニトマトの収穫は露地産なら夏場だが、ハウス産は秋から翌年の夏にかけて続く。赤糖房などのブランドは11月から少しずつ始まり、年を越して3月になると収穫量が徐々に増える。JA紀州いなみ営農販売センターによると「2月は寒さが厳しかったので色づきは悪かったが、ここにきて良くなっている。目立った病虫害はなく順調に育っている」という。

 みなべ町堺の向井美雄さん(34)は、ブランドのミニトマトは11月から家族で収穫する。今は10日に1回のペースだが、暖かくなるにつれペースは早くなる。梅栽培に加え、十数年前からミニトマトも栽培するようになった。「将来を考えれば、価格が安定しているミニトマトは魅力がある。今年のように寒ければ燃料費も高くなり大変だが、おいしいものを作れば評価してくれ、やりがいがある」と話す。

 管内で収穫されたミニトマトは、JA紀州を通じて関西や中京、関東の市場に出荷される。みなべ町では「ほんまもんふるさと産地直売所」、印南町では「フレッシュマート特産品直売所」で販売されている。価格は赤糖房(160グラム入り)、優糖星(300グラム入り)、いずれも500円。

 赤糖房は普通のトマトの3倍以上の糖度8・5度以上が基準。優糖星は8度以上、王糖姫は7度以上と設定されている。特に春は甘くておいしいという。