和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月07日(土)

河内祭の伝統守りたい 古座小児童がミニ御舟飾り付け

古座小学校の子どもらによって、のぼりやササ飾り、番傘などが飾り付けられた「ミニ御舟」(19日、和歌山県串本町サンゴ台で)
古座小学校の子どもらによって、のぼりやササ飾り、番傘などが飾り付けられた「ミニ御舟」(19日、和歌山県串本町サンゴ台で)
 和歌山県を流れる古座川下流域で毎年7月下旬に営まれる国重要無形民俗文化財「河内祭(こうちまつり)」に合わせ、串本町古座小学校の子どもたちが飾り付けて展示している「ミニ御舟」が今年、同町サンゴ台の町役場に登場した。コロナ禍のために祭りは3年連続で大幅に縮小となるが、同校では「伝統ある祭りを守るために自分たちにできることはないか」との思いから、3年ぶりに企画したという。展示は7月末ごろまでの予定。


 河内祭は、古座川の河口から約3キロ上流にある河内島をご神体として祭る5地区(串本町古座、同町古田、古座川町高池下部、同町宇津木、同町月野瀬)の例祭。豪華に飾り付けられた御舟の水上渡御や勇壮な獅子舞などがあって毎年多くの人でにぎわうが、2019年に営んでからは、コロナ禍のために神事のみとなっている。

 古座小では河内祭をアピールしたいと、串本町西向にある旧古座分庁舎に華麗に飾り付けた全長約3・5メートルのミニ御舟を毎年展示してきた。コロナ禍が長期化する中、学校運営協議会に参加している河内祭の関係者から、今年も神事のみとなるということを聞き、学校側から「コロナ禍のために地域学習で祭りの方と関わることがここ何年かできていない。ミニ御舟だけでも展示したい」などと提案。賛同を得て、町教育委員会とも相談し新庁舎で展示することになったという。

 町役場1階のエントランスホールの一画に舟を運び込むなど先週から準備をした上で、6年生10人と教職員が19日に来庁して作業。子どもたちが七夕集会に合わせて作ったササ飾りのほか、「河内大明神」や「古座小学校」などと書かれたのぼり、ちょうちん、番傘などを取り付けた。

 児童会長の宮本凛さん(11)は「3年ぶりにミニ御舟の飾り付けをすることができてよかった。みんなに見てほしいし、来年はお祭りをやってほしい」。山路教代校長は「コロナ禍が収束し、早く皆で地域の夏祭りを楽しめたらという思い。ぜひともここに足を運んでいただき、少しでも祭りの雰囲気を感じていただけたらうれしい」と話していた。