和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年11月14日(木)

地域医療の現状を聞き取り 愛媛大で医師目指す2学生

過疎地の医師を目指して勉強している佐々木康介さん(右)と高月駿さん=和歌山県串本町串本で
過疎地の医師を目指して勉強している佐々木康介さん(右)と高月駿さん=和歌山県串本町串本で
 地域医療について学んでいる愛媛大学医学部3年の佐々木康介さん(31)と高月駿さん(25)が8月24~29日、和歌山県紀南地方を訪れ、高齢者らから医療の現状などについて聞き取りをした。

 過疎地域で医師になることを目指しているという2人は、新宮市と那智勝浦町に民泊し、それぞれの地域で暮らす人たちと触れ合いながら、地域医療の課題などについて見識を広めた。紀南地方で暮らす先輩医師の勧めで昨年に続いて訪れたという。 

 佐々木さんは、香川県出身。広島大学薬学部卒業後、高知県のJAに就職し、ユズ飲料の製造などに携わっていたという。親しくしていた高齢者が、ユズ畑での仕事中に転落し、ドクターヘリで搬送されたが亡くなったという話を聞き「もう少し早く搬送されていれば助かったのでは。自分にできることはないか」と考えるようになり、過疎地で勤務する医師を目指し、愛媛大学に編入した。

 高月さんは神戸市出身。京都大学理学部卒業後、大学院で学んでいたが、高齢化が加速する日本の医師不足を感じていたという。子どもの頃から田舎や高齢者が好きで、何でも気軽に相談に乗ってくれる身近な医師への憧れが強くなり、大学院を退学し、愛媛大学に編入した。

 紀南地方滞在中に三重県熊野市のタウンミーティングに参加するなど、各地で地域医療について話を聞いた佐々木さんは「健康に対しては、男性より女性の方が意識が高いと感じた。皆さん、孫や息子と接する感覚でいろいろ話してくれた」、高月さんは「隣で暮らしているのが誰か分からないのが普通という環境で育ってきた私にとって、こちらで暮らす人たちは、地域の人のつながりが強く、みんな家族みたいに暮らしていると感じた。知らない私たちでもすぐに仲良くなってくれた」と話した。