和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2022年08月20日(土)

「野菜の会社になる」日本にトマトを定着させたカゴメの転換期、植物性領域拡大で食の選択肢を増やす

同社が開発した洋食店で出されるような“ふわとろオムライス”。ご飯も卵もプラントベースフード。卵は人参とインゲン豆からできている
同社が開発した洋食店で出されるような“ふわとろオムライス”。ご飯も卵もプラントベースフード。卵は人参とインゲン豆からできている
 飲料、食品、調味料の大手総合メーカー『カゴメ』。トマトやケチャップの商品イメージが先行するが、先日原材料にニンジンと白インゲン豆 を使ったプラントベースエッグ「Ever Egg(エバーエッグ)」を開発し、注目を集めた。2016年に「トマトの会社から野菜の会社に」というビジョンを掲げ、現在では植物性領域の拡大にも取り組んでいるという。健康志向の今、“プラントベース”を取り入れる角度は高くなっているが、「普通に食べたほうが安いし美味しくない?」という課題も。価格、味、技術…さまざまな側面でどう向き合うのか。広報担当者に話を聞いた。

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■トマトから野菜全体へ、幅を広げる商品戦略へと舵を切った

 『カゴメ』といえば、トマトケチャップやトマトジュースを思い浮かべる人は多い。しかし同時に、野菜飲料『野菜生活100』を始め、様々な“野菜”を使用した商品をこれまでも展開してきた。「トマトに注力する姿勢は変わりません。ですが、2015年当時業績も大変厳しくなり、企業としてどうあるべきか、 “10年後のありたい『カゴメ』像”を真剣に議論し、2025年を目標に『カゴメ』を“トマトの会社から野菜の会社に”という長期ビジョンを描いたんです」(担当者、以下同)

 『カゴメ』という会社をどう成長させるか、真剣に考えた結果のビジョンで、企業として存続していくためには、トマトを中核として野菜にも事業領域を広げることで、“持続的な社会への貢献”と“企業価値の向上”を目指す考えだった。「健康寿命の延伸、農業振興と地方創生、持続可能な地球環境…これらを解決していくために、“野菜全体”へと幅を広げてさまざまな素材に注目していく方向性へと舵を切りました」。

 『カゴメ』はそもそも先述の野菜ジュースだけではなく、業務用事業ではグリル野菜の冷凍品など幅広い野菜素材のラインナップを持っていた。そのノウハウを活かしつつ、プラントベースフードに着手する。植物性素材で作った動物性食材の代替品。2019年に業務用で展開を始めた。

■代替品は我慢して食べるものでないからこそ、味を徹底的に追求

 これは背景に東京オリンピックもあった。「当時はインバウンドの需要も拡大していましたので、海外に多いベジタリアンやヴィーガンの方に向けて開発したものです。コロナ前は海外からの団体客も多かったですが、ヴィーガン、ベジタリアン対応ができないとホテルやレストランの予約が出来ない、キャンセルされてしまうという事情を外食系の方から多く聞いていました。ここに『カゴメ』がお役立ちできればと思い、個食のレトルトでパスタソースやカレーを業務用展開したのです」。

 SDGs、多様性など社会的には大変素晴らしい取り組みではあるが、下世話なところに目を向けると、問題は“味”だ。肉好きは肉を食べたいし、卵好きは卵を食べたい。

 「弊社としても、プラントベースフードは我慢して食べるものではないと考えております。 “自然をおいしく楽しく”がテーマの会社でもありますので、商品開発には大変こだわり、味を徹底的に追求している。『野菜の会社』だから出来たことだと自負を持てる商品を完成させていきました。そもそも当社には、“世界のミクニ”と呼ばれる、ホテル・ドゥ・ミクニのオーナーシェフ・三國清三さんにも認めてくださった野菜だけで旨味を取った『野菜だし』という独自素材もございまして、そうした技術をいかに応用できるかというところで研鑽できたのは大きかった」

 大豆などの植物性素材を使って同社はは2021年にプラントベースシリーズを家庭用に刷新し、市販スーパーなどでも販売を開始した。「ボロネーゼ」などのパスタソースのほか、キーマカレーや、ガパオ用ソースなど。すべて動物由来の食材はゼロだ。ここでベジタリアンやヴィーガンとくくらずに一般顧客に向けてアンケートをとった結果、「高い味覚評価を得られました」と担当者。

 その自信作の1つが今年3月に発売した『プラントベースオムライス』。プラントベースフードブランド「2foods」を手掛けるTWO社と同社がタッグを組んで開発した。卵を使わずに、卵の風味とふわとろの食感をどのように出すか、開発には1年がかかった。大豆ではボソボソしたり、口に残ってしまう感じがある。100以上の食材を試し、ニンジンと白インゲン豆を原料とした。卵だけど卵じゃない、これまでの常識を覆す食品になると商品名は『エバーエッグ』と名付けられた。

■メリットデメリットを使い分けることで、日常の選択肢になりうる

 こうしたプラントベースフードが一般の我々にどんなメリットがあるか。まずは健康面だ。普通のオムライスであれば、入っている野菜は刻まれた人参やピーマンなどわずか。だが同商品では、一日に必要な野菜量の3分の1以上が使用されている。コレステロールを気にする人にも最適だという。そして、ローカロリー。昨今はイスラム教徒が食べられるハラール食品のレストランも増えてきた。こうした宗教問題に対しての対応も可能となる。

 「今年3月9日にEC限定で先行発売しましたが注文開始から4時間で目標金額を達成。1100人を超える方に購入いただけました。ただ認知的にはまだ不足と考えておりますので、今後の展開に力を入れていきたいと考えています」

 もちろん環境面を考えての開発となるが、同社としては、これらが日常の食の選択肢の1つになれば良いと願っている。ある時は、健康面やダイエットを考えて、動物性ではなくプラントベースに。気にせず食べたい時はガッツリ肉や卵を食べれば良い。同社の『畑うまれのやさしいミルク』など植物性ミルクにしても、『カゴメ』の野菜ジュースの技術で隠し味に他野菜や果物もブレンドされる。 飲みやすく美味しいが、普通の牛乳で摂れるカルシウムを摂取できない側面もある。メリット、デメリットが双方あるからこそ、使い分けることができれば良いのだ。

 健康&美味しいで消費者に日頃の感謝を伝えようとしている『カゴメ』。例えば同社は、就活生にも合否に関わらず、「エントリーシートを書くのは大変なはず」とその労に感謝をして商品を送ることでも有名だ。また紙パックの野菜飲料も飲み終わった後にしっかりたたむと「たたんでくれてありがとう」というメッセージが現れる。感謝…それが『カゴメ』の企業理念なのだと、同担当者は語る。

 日本には「いただきます」「ごちそうさま」と、命をくれた動植物、また作ってくれた人への“感謝”の気持ちを伝える文化がある。“食”への“感謝”。日頃忘れがちだが、今一度“感謝”の想いを強く意識することで、世界はさらに住みやすくなるようにも思える。

(文/衣輪晋一)

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