和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年09月19日(木)

「斜面の動き止める」 田辺市の崩壊対策で林野庁説明

無人の重機で県道にたまった落石を取り除く作業(和歌山県田辺市上秋津で)=和歌山森林管理署提供
無人の重機で県道にたまった落石を取り除く作業(和歌山県田辺市上秋津で)=和歌山森林管理署提供
 和歌山県田辺市上秋津の奇絶峡近くで大規模な斜面崩壊が発生したことを受け、対策工事の説明会が8日、上秋津や秋津川、秋津町の市内3カ所で開かれた。林野庁近畿中国森林管理局は工事の概要を説明し、斜面の動きを止めることを強調。県は仮設道路の設置計画について説明した。

 地元で不安が高まっていることから、関係する各町内会が開いた。

 斜面崩壊は7月28日、幅約50メートル、高さ約20メートルにわたって発生し、約1500立方メートルの土石が崩れ落ち、県道田辺龍神線をふさいだ。県道は現在も通行止めとなっている。

 近畿中国森林管理局の説明によると、崩壊したのは砂岩と泥岩が交互に重なってできた岩盤が露出し、風化により複雑に亀裂が入っていた箇所。斜面の上部で地滑りのような動きが続いており、それで風化した岩盤にひずみが蓄積していた。そこに7月、断続的な降雨があり、斜面の動きが活発になったため、斜面崩壊が起こった可能性があるという。7月だけで斜面が23ミリ動いたが、それ以前はほとんど動いていなかったという。

 斜面の動きは2011年9月の紀伊半島大水害後に確認され、近畿中国森林管理局和歌山森林管理署が地下水を抜いたり、アンカーを打ったりして斜面の動きを止める工事をした。地下水を抜くために集水井戸の設置工事を続けており、来年度末までに計4基を設置する。同時にアンカーも追加する。

 それとは別に、崩壊斜面の下部では落石を受け止めるために土塁を造り、鉄鋼製の防護柵も設置する計画。年内に完成予定。現在、県道などにたまった落石を無人の重機を使って取り除く作業をしており、それを土塁に利用する。

 監視用として、伸縮計や雨量計などの観測機器を設置しているが、さらに増やし監視体制の強化を図っている。

 一方、県は、県道の対策として応急的に仮設道路を設置する計画を進めている。

 県西牟婁振興局建設部の説明では、対岸に橋を架け、崩壊した場所を避けて迂回(うかい)する仮設道路で、最短のコースを取る。半年後の完成を目指すという。