和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年04月20日(土)

予定3氏が準備着々 新顔対決の和歌山県知事選

和歌山県庁
和歌山県庁
 和歌山県知事選の告示(10日)まで10日間を切った。元衆院議員の岸本周平氏(66)=自民、立憲、国民推薦=と政治団体「新党くにもり」元代表の本間奈々氏(53)の無所属2人、共産公認で党県常任委員の松坂美知子氏(66)の3氏が立候補の意思を表明。16年ぶりに新知事が決まる選挙に向け、着々と準備を進めている。


■精力的に紀南回る 岸本氏

 「圧倒的な得票で(当選してもらいたい)」。10月に和歌山市であった岸本氏の事務所開きで、自民県連会長の二階俊博衆院議員らが激励した。自民、立憲民主、国民民主に加え、社民県連も推薦を決め、本番を前に態勢が固まった。

 3人の中で真っ先に立候補を表明したのは、国民民主の衆院議員(和歌山1区)だった岸本氏。5月に会見を開き、離党して、自民など広く各党に推薦願を提出する意向を示した。

 自民県連の対応は揺れた。4回もの候補者選考委員会を開き、和歌山市出身の総務省官僚擁立を決めたが、その直後に21町村長でつくる県町村会が岸本氏の推薦を決定。他の団体も追随したことから、岸本氏推薦に落ち着いた。

 岸本氏は和歌山1区で5選した実績がある。会見後は地盤でなかった紀南を中心に精力的に回り、知名度向上を図っている。


■IR反対、動画配信も 本間氏

 本間氏は県に対し「カジノを含む統合型リゾート施設(IR)」誘致計画の完全撤退を求め、無所属で知事選に挑む。

 昨秋の衆院選でもカジノ反対を訴え、和歌山3区で立候補した。その後、計画は頓挫したものの、県庁にも県議にもまだ可能性を探る動きがあるといい、「完全決着させたい」と9月下旬に団体を辞め、立候補を表明した。

 衆院選を通じ、紀南では一定の知名度を得たとの考えから、田辺市に拠点を置きながら、大票田の和歌山市を中心に駅前などで街頭演説などをしている。また、動画投稿サイト「ユーチューブ」にチャンネルを設け、考えを主張している。


■県政の転換を 松坂氏

 松坂氏は3人の中で最も遅く、告示まで1カ月を切った10月12日に立候補を表明した。これまでの自民政権を受け継ぐ候補を批判し、「県政転換のチャンス」と訴えている。

 ただ、出遅れは否めない。共産党と関係の深い団体「ゆたかで住みよい和歌山県をつくる会」が候補者選定に動いたことが影響した。団体が「擁立が難しい」と結論を出したのは10月に入ってからだったという。前回の知事選までは「つくる会」の擁立した候補者を、党が推薦していた。

 松坂氏は、2011年から和歌山市議を2期務め、同市内では一定の知名度がある。市内を中心に街頭演説や支援団体との懇談、小規模の会合などに連日出向いて、巻き返しを図る。党県委員会は「選挙戦に入れば当然、県内各地をくまなく回る」と話している。