和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年11月14日(木)

手話条例制定を可決 田辺市議会

 和歌山県の田辺市議会9月定例会は27日、2019年度一般会計補正予算案(補正後448億5889万円)など29件を可決、承認するなどして閉会した。議員発議でこの日提出された「田辺市手話言語条例」案を全会一致で可決した。05年の新田辺市誕生以降、議員発議による条例制定は「梅酒で乾杯条例」に続いて2例目。

 手話言語条例は、県議会が17年12月に議決。みなべ町や印南町、新宮市、古座川町などでも制定されている。

 条例案は、柳瀬理孝議員(無)が提出。手話が独自の言語体系であることを理解し、手話を必要とする人とそれ以外の人が人格と個性を尊重し合いながら共生することを基本理念に掲げている。

 市の責務として手話を使用しやすい環境を整備するために必要な施策を推進すること、市民の役割として市の施策に協力するよう努めることなどを定めている。施行は来年4月1日。

 議会を傍聴した市聴覚障害者協会副会長の愛瀬貞夫さん(64)は「やっと田辺市でも条例が制定されることになり、うれしい。手話も言語であるということへの理解が広がることを期待している」と話した。

「ドンファン」遺産受け取り
手続き費用可決

 この日の議会では、昨年5月に急死した同市の資産家で「紀州のドン・ファン」と呼ばれた野﨑幸助さん=当時(77)=の遺贈を受けるための準備費用6540万円を含む一般会計補正予算案も全会一致で可決した。

 野﨑さんは急性覚醒剤中毒で死去。死後、全財産を市に寄付するとの遺言書が見つかった。準備費用は弁護士の委託料や裁判所への予納金など。市が把握している財産は約13億円で、今後、野﨑さんの配偶者の遺留分についての協議などがある。

 また、市の新庁舎で使用する立体駐車場を8億3931万円で取得する議案を賛成多数で可決した。購入予算が資材の高騰などにより、当初計画よりも約1億8千万円の増額となった経緯があることから「関係官庁の指導、天変地異などの不可抗力による理由以外、増加費用および工期の延長を認めない」ことなどを強く求める付帯決議も可決した。