和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年04月20日(土)

市議会「意外と面白い」 田辺市、高校生らが初傍聴

田辺市議会の一般質問を傍聴する高校生ら(田辺市議会議場で)
田辺市議会の一般質問を傍聴する高校生ら(田辺市議会議場で)
 4年に1度の統一地方選挙が迫っている。しかし、地方議会がどんな活動をしているかを知らない人も多い。そこで、本紙は高校生と一般に呼びかけ、田辺市議会(和歌山県)の一般質問を傍聴してもらった。初めての議会は「意外と面白い」という反応が大半で、「授業に取り入れてほしい」「もっと早く来ていればよかった」との声が上がった。


 10日の一般質問では、田辺高校の生徒12人と一般2人がメモを取りながら、松上京子議員(無)の「中学校の校則見直し」、佐井昭子議員(公明)の「子ども、子育て支援」についての質問を聞いた。

 松上議員は靴下の色の指定など、時代にそぐわなかったり、根拠が分からなかったりする校則の見直しについて、佐井議員は「雨の日の遊び場」「18歳までの医療費無償化」などを取り上げた。

 田辺高校2年の橋本栞乃さんは「中学の時から校則に違和感を持つことはあった。こんな身近な問題を議会で話しているのは意外だった」と時折うなずきながらメモを取っていた。

 子育て支援の質問にも興味を持ったが「少子化の現状などを把握できていないので、もっと勉強していれば深く聞けたかもしれない。次回来ることがあれば、事前の準備もしたい」と話した。

 イラストレーターで子育て中の和田友子さん(42)=あけぼの=は「関心のある問題が取り上げられていて、面白かった。もっと早く足を運んでいればよかった」と難しいと思い込んでいた印象ががらりと変わったという。

 「議会は市民が市政に興味を持つきっかけになる。休日や夜間開催で議場に足を運びやすくしたり、リアルタイムで配信したりするともっと見てもらえるはず」と提案した。

 将来、国際関係や政治関連の学部に進学したいという田辺高2年の村上実咲さんは「質疑は分かりやすかった。行政が何をやっているかや、どんな課題があるか知ることは大事で、議会を聞く機会がもっと増えればいい。高校の探究学習でも取り入れてほしい」と話した。

 他にも「学校でも生徒会の要望に『検討したい』との返答があるが、進展しない。議会での『検討します』の答弁も本当に検討してもらえるのか」「普段使わない行政・議会用語が並ぶと分かりにくい」「質問に市民の声が反映されている。議会の意義を感じた」などの声があった。

 13日にも高校生4人が傍聴した。