和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年10月20日(日)

ラグビー代表、生地で支える 上富田町の企業がジャージー開発

ヤマヨテクスタイルが手掛けたラグビー日本代表のジャージーを手にする山下郁夫社長(和歌山県上富田町岩田で)
ヤマヨテクスタイルが手掛けたラグビー日本代表のジャージーを手にする山下郁夫社長(和歌山県上富田町岩田で)
 ラグビーのワールドカップ(W杯)で躍進する日本代表選手が着用するジャージーに、和歌山県上富田町岩田のニット生地製造・販売会社「ヤマヨテクスタイル」の生地が使われている。W杯では4大会連続で採用され、改良を重ねて進化を続ける。山下郁夫社長(73)は「W杯が盛り上がる中、地元に日本代表と関わる企業があることを知ってほしい」と話している。

 ヤマヨテクスタイルは、丸編み生地メーカーとして1934年に和歌山市で創業した。70年、上富田町で紀南工場を操業し、スポーツウエアの生地の製造を始めた。ラグビー日本代表のジャージーの生地は、2007年のW杯フランス大会の時から4大会連続で採用されている。

 日本代表にジャージーを供給するゴールドウイン(東京都)のグループ会社「カンタベリーオブニュージーランドジャパン」(同)から依頼を受けて、今回はBK(バックス)用ジャージーの共同開発を進めた。FW(フォワード)の生地は福井県の会社が手掛けた。

 BK用のジャージーは「薄くて軽く、伸びのある生地」にこだわり、代表選手の意向を聞きながら試行錯誤を重ねた。「薄くて軽くすれば破れやすくなる。相反する要求を満たすのが難しかった」と営業本部長の橋本長治さん(44)は言う。

 強度が高く従来より細い糸を使い、編み方を見直すなどして、3年かけて開発に成功した。スポーツウエアを手掛けて50年のノウハウを生かし、選手のパフォーマンスを最大限に発揮できる生地に仕上げたという。

 日本代表のジャージーは白地に赤いラインの入った日の丸カラー。模様は武士の「かぶと」をデザインしている。ヤマヨテクスタイルが手掛けた選手用のジャージーは特注品で、市販されていない。

 上富田町ではW杯直前の9月、出場チームのナミビアが合宿し、町民や地元のラグビーファンらが熱烈に歓迎した。山下社長はナミビアを迎える実行委員会の委員長を務めた。同社は同町を拠点に活動する女子ラグビーチーム「和歌山パシフィックオーシャンズ7」のスポンサーでもあり、ジャージーを提供した。

 山下社長は「地元でラグビー熱が高まってうれしい。社員も日本代表のジャージーに携わることで誇りと喜びを感じている。今後も携わっていきたい」と話す。

 W杯では1次予選で3連勝し、初の8強入りへ期待がかかる日本代表。日本企業の技術と思いが結集されたジャージーが快進撃を支えている。



 ヤマヨテクスタイル 1934年、山下社長の祖父と父による個人営業の丸編み生地メーカーとして和歌山市で創業した。70年に新会社のヤマヨテクスタイルを設立し、上富田町岩田で紀南工場(現本社)を操業。2000年に本社機能を現在地へ移した。資本金5千万円、売上高50億円、従業員150人。