和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年10月25日(日)

熊野15一絵(4)新宮市/神倉神社の夜明け

新宮の市街地を望む神倉神社。日の出前に東の空が赤く染まった(1日午前5時36分、新宮市で)
新宮の市街地を望む神倉神社。日の出前に東の空が赤く染まった(1日午前5時36分、新宮市で)
 夜明けとともに太陽が東の空を赤く染め、次第に朱塗りの社殿と、ご神体である巨岩「ゴトビキ岩」を浮かび上がらせる。

 太平洋に臨み、遮るものが少ない新宮・東牟婁には日の出の名所が多いが、標高約90メートル、市街地を一望できる神倉神社からの夜明けは、歴史の重みが感じられる分、よりドラマチックだ。

 熊野速玉大社の摂社である。神代のころ、熊野の神々がまず初めに神倉山のゴトビキ岩に降臨したといわれ、神武天皇も登ったとされる。

 毎年2月6日、たいまつを持った白装束の男たちが駆け下る勇壮な火祭り「御燈(おとう)祭り」(重要無形民俗文化財)の舞台としても有名だ。

 ゴトビキ岩までの参道には、鎌倉幕府の初代将軍・源頼朝(1147~99)が寄進したと伝わる、538段の石段がある。途中、勾配が急な場所があり、体力がある人でも一気に上り切るには骨が折れる。撮影や取材のたびに上っているが、息が切れても、それだけの価値は十分にある。
(牧康宏)
=随時掲載