和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年08月23日(金)

18年を回顧 地域の魅力、新たな年にも

 2018年は、災害が多かった。6月には最大震度6弱を観測した大阪府北部地震が発生、人口が集中する地域での災害の怖さを見せつけた。7月の西日本豪雨では、河川の氾濫や土砂災害などで200人超が亡くなった。


 9月には41人の犠牲者が出た北海道胆振東部地震があり、最大震度7を観測した。道内全域が停電、ライフラインのもろさを露呈した。南海トラフ巨大地震の不安を抱える紀南地方のわれわれは、明日はわが身かと思い知らされた。


 県内でも大きな自然災害が続いた。8月の台風20号では、田辺市本宮町の川湯温泉の全宿泊施設が浸水被害を受け、復旧に3カ月かかった施設もあった。


 9月に襲来した二つの台風は記録的な高潮と塩害を伴い、沿岸部の道路や建物に多くの被害をもたらした。県内農林水産関係の被害額は67億円超。広範囲の大規模停電が発生し、復旧するまでに1週間以上かかった地区もあった。


 台風の爪痕は大きく、今も各地に傷跡を残している。屋根の上にブルーシートを張ったままの民家も少なくない。


 自然災害だけではない。長年懸案となっている人口減少も地域の活力を奪っている。


 10月現在の県推計人口は1年前より1万269人減り、93万4051人。年間の減少幅は拡大を続け、調査開始の1967年以来、初めて1万人を上回った。


 人口減は学校の統廃合にも直結する。本年度末には白浜町の椿小学校、串本町の大島中学校が廃校となる。


 一方で、打って出る施策も具体化してきた。


 南紀白浜空港の運営が民営化され、来年4月から「南紀白浜エアポート」が県に代わって空港を運営。地域活性化にも乗り出す。


 JR紀伊田辺駅の新駅舎も夏には完成予定。歩調を合わせて田辺駅前商店街の外観も一新し、国の指定を受けた「景観まちづくり刷新モデル地区」など闘鶏神社を中心にしたまちづくりが進む。


 串本町では、民間会社「スペースワン」が小型ロケット発射場の設置を検討。日本初の民間によるロケット発射場の建設であり、小型衛星の打ち上げサービスの事業化を目指している。県は、実現すれば10年間の経済効果は670億円との試算結果を示した。


 農業関係では、梅もミカンも好調に推移した。JA紀南管内の南高梅の今季収穫量は過去10年間で3位、価格も例年より高めで推移した。味の良さが評価された紀南産温州ミカンは、17年度の価格が過去10年間では最高を記録、18年度も好調という。


 観光面では紀南の温泉地も熊野古道も外国人客が目立つ。来年は世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の登録から15周年。今後、保全面が一層の課題となる。


 来年5月、新元号がスタートする。その節目をどう生きるか。地域の魅力を磨き、次世代につなぐのは住民の力次第だ。新たな時代を切り開きたい。 (N)