和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年10月21日(水)

教訓生かし各地で訓練 「世界津波の日」の5日、和歌山県内

訓練で、横転した車両からけが人を救出する新宮市消防本部の職員(5日、和歌山県新宮市新宮で)
訓練で、横転した車両からけが人を救出する新宮市消防本部の職員(5日、和歌山県新宮市新宮で)
高台を目指して走る園児や中学生ら(5日、和歌山県白浜町日置で)
高台を目指して走る園児や中学生ら(5日、和歌山県白浜町日置で)
 和歌山県広川町の故事「稲むらの火」にちなんで制定された「世界津波の日」の5日、県内各地で災害に備えた訓練があった。市町村や学校、幼稚園、自主防災組織などによる避難訓練のほか、警察や消防による救助訓練もあった。

■家屋や車両から救助

 新宮署は、新宮市消防本部などと合同で被災者の救助訓練をした。

 巨大地震が発生し、紀南各地で大きな被害が出たと想定。まず、署員は緊急地震速報を受けて、机の下に隠れるなどして身を守る訓練をした。

 その後、署と災害時の協定を結ぶ新宮市内の映像・イベント企画制作会社「POS」がドローンを飛ばして被害の情報を収集。付近で倒壊家屋と横転した車両を発見したため、市消防本部職員と同署員が現場に駆け付けた。

 倒壊家屋では、同市のNPO「和歌山災害救助犬協会」から災害救助犬2匹が出動し、けが人がいることをほえて知らせた。署員がチェーンソーで家屋に見立てた木材を切断するなどし、けが人1人を救出した。

 また、横転した車両の運転席にもけがをした男性がいるとして、市消防本部の救助工作車がクレーンで車を起こし、職員が救助用の機材を使ってドアをこじ開けて、座席から男性を助け出した。

 新宮署の高砂浩之署長は「今後もさまざまな場面を想定した訓練を継続し、関係機関と連携して災害への対処能力を高めていきたい」と話した。

■146人助け合い高台へ

 白浜町日置の日置保育園、日置小学校、日置中学校は5日、地震と津波を想定した避難訓練をした。園児と小中学生の計146人が助け合って高台へ走った。

 保育園と小中学校は沿岸部にあり、学期ごとに合同避難訓練とその反省会をして防災意識を高めている。

 この日は園児43人、小学生57人、中学生46人のほか、日置区や地域の行政機関、保護者らも協力、参加した。

 中学校では午前10時、地震発生の放送が流れ、中学校の運動場で遊んでいた園児と校舎にいた中学生は約1分間、自分の身の安全を確保した。その後、中学生は運動場に出て、園児と一緒に避難所まで走った。

 小学生は小学校近くの寺山避難所に登れないという想定で、いずれも中学校から約500メートル先にある松原避難所(標高約25メートル)を目指した。

 避難所までかかった時間は、小学生は7分59秒、園児と中学生は9分43秒だった。日置中学校の玉田一晃校長(56)は「非常にスムーズに避難できた。いつ地震が起こるか分からないので、自分で考えて避難できるようになってほしい」と呼び掛けた。

 中学3年生の東原蓮君(15)は「園児と一緒に避難する時、歩くペースに合わせるのが難しかった。地震が起こったら速く逃げられるようにしたい」と話した。