和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年07月12日(日)

熊野15一絵(9)みなべ町山内/命輝く渚の古道

満天の星の下、産卵をするアカウミガメ(2018年6月13日午前0時46分、みなべ町山内で)=露出時間37秒
満天の星の下、産卵をするアカウミガメ(2018年6月13日午前0時46分、みなべ町山内で)=露出時間37秒
千里の浜
千里の浜
 満天の星に見守られながら、アカウミガメがピンポン球ほどの大きさの卵を次々と産み落としている。

 熊野古道紀伊路「千里王子」がある千里の浜は「渚(なぎさ)の熊野古道」と呼ばれる景勝地だ。同時に、人工の光がほとんど当たらず、砂も比較的豊富な延長約1・3キロのこの浜は、本州最大のアカウミガメの産卵地としても知られている。5月下旬ごろから8月上旬ごろまでの産卵シーズンには毎年、命のドラマが繰り広げられる。

 今年10月、千里の浜で長年「みなべウミガメ研究班」の代表として、調査・保護に力を尽くした後藤清さん(91)が亡くなった。5年前、高齢を理由に後進に道を譲ったが情熱は衰えず、15日から17日まで、30回の記念大会として町内で開かれる「日本ウミガメ会議みなべ大会」への出席も考えていたという。

 みなべ大会では、後藤さんの志を受け継いだ地元の青年や研究者らがこの浜に集い、地域の宝を守る決意を新たにする。(牧康宏)
=随時掲載