和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年07月07日(火)

熊野15一絵(10)那智勝浦町/熊野灘の光の道

熊野灘から弁天島の上に昇った太陽が、水面に光の道を作った(1日午前6時19分、那智勝浦町で)
熊野灘から弁天島の上に昇った太陽が、水面に光の道を作った(1日午前6時19分、那智勝浦町で)
撮影ポイント
撮影ポイント
 熊野灘から昇った太陽が水面(みなも)に光の道筋を作った。

 熊野那智大社の別宮・飛瀧神社のご神体である那智の滝や那智原始林からの水を集めて流れる那智川が熊野灘に注ぐ場所。そこに架かる那智大橋からカメラを構え「ゴジラに似ている」と話題になった弁天島と、水平線から昇る太陽が変形して見える「だるま朝日」の共演を狙った際に出合えた絶景だった。

 この周辺の浜は「補陀落渡海」という宗教儀礼の舞台となったことで知られている。

 近くにある補陀洛山寺の僧侶らが南海の彼方(かなた)にある「補陀落浄土」を目指し、わずかな食料を積んだ小さな渡海船に乗り込んだ。寺によると、平安時代から江戸時代にかけて28回も行われたという。

 渡海の多くは今の時季、北風が吹く日を選んで行われた。この海の彼方には、浄土がある。熊野灘に現れた光の道は、その信仰をなるほどと感じさせる説得力を持っていた。 (牧康宏)
=随時掲載