和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年02月29日(木)

実写化で話題の “オトサツ” 激化する「不倫」ジャンル、webtoonのドラマ化がマンガの未来を作る

LINEマンガ『夫を社会的に抹殺する5つの方法』 (C)アップクロス・三田たたみ/CLLENN
LINEマンガ『夫を社会的に抹殺する5つの方法』 (C)アップクロス・三田たたみ/CLLENN
 現在テレビ東京系ドラマチューズ!で放送されている『夫を社会的に抹殺する5つの方法 Season2』。昨年のSeason1に続き、続編の放送が1月からスタートしており、SNSをザワつかせている。タイトル通り、正統派の復讐もので、原作はLINEマンガで先行配信中の同名webtoon作品。マンガ編集を担当する株式会社CLLENN GS編集部 部長・五十嵐悠氏に、ヒットの要因とマンガならではのこだわりを聞いた。

【漫画】クズ旦那を社会的に抹殺する方法とは? 暴力、モラハラ、性暴力に耐える妻の復讐劇

■“webtoonのドラマ化”としてヒットしたことに意義がある

 夫の大輔からDVやモラハラ等を受けてきた主人公の奥田茜が、謎の手紙の指示に従い大輔を社会的に制裁する中で、自他と対峙し人生を見つめ直す姿を描く社会派サスペンス。「不倫」「復讐」という人気のジャンルとタイトルで、配信時からSNSを中心に話題を集め、実写ドラマ化が決定した。

――ドラマもSeason2の放送もスタートしていて話題を集めていますが、マンガの企画制作はどのように進められましたか?

【五十嵐悠氏】本作は複数のライターさんによるチームライティング制を実験的に行なう過程で生まれました。週次でお題を出し、そのお題に合ったアイディアを10以上出してもらう。その様な過程で生まれた企画をメインライターとして執筆いただいたのが、三田たたみさんになります。

――五十嵐さんは紙媒体でのマンガ編集を経て、現在はwebtoon、横読み両方のマンガ事業のクリエイティブの責任者を務められています。これまでの経験を踏まえて、日本のマンガシーンの傾向をどう見ていますか?

【五十嵐悠氏】現在のマンガシーンは、出版社以外の新たなプレイヤーの参入が多くなっています。これまでにもwebマンガが生まれたことによる「表現媒体の増加」、マンガアプリの台頭による「IT企業の参入」などがありましたが、webtoonへの参入はそれらの時期と比類しないぐらい大きなものになっていました。これにより、これまでとは異なるマンガの作り方が、特にマーケティングの領域で起きている印象です。

――『夫を社会的に抹殺する5つの方法』は連載開始から実写化までの期間がかなり速かったように感じます。ドラマ化の構想というのは当初からあったのでしょうか。

【五十嵐悠氏】企画段階から映像化のプロジェクトを進行していました。テレビ東京さんとの会話を重ねて、連載スタートしてから直ぐのタイミングでドラマが放映開始しました。素晴らしいクオリティで、原作・作画の先生をはじめとしたwebtoon制作チーム一同とても満足した内容となりました。本作のヒットは、“webtoonのドラマ化”としてヒットしたことに意義があると思っています。

――というと?

【五十嵐悠氏】本作は弊社の中でも最初のヒットであり、ドラマ化はヒット要因の中の大きなピースだったと考えています。しかしながらwebtoonにおけるヒットはプラットフォームのユーザーとの相性が一番大切であり、本作がヒットしたのはLINEマンガでの本格連載が一番のきっかけとなっております。webtoonの配信スタート→ドラマの放映→LINEマンガでの配信、という一連の流れが“webtoonのヒット”のモデルケースになったことが重要と考えています。

■時代に合わせた空気感や価値観のアップデートでヒットに近づける

――マンガにしてもドラマにしても、昨今は「不倫」や「復讐」がトレンドとなっています。これだけジャンルが定着してくると、読者もたくさんの作品を読んでいますよね。

【五十嵐悠氏】「不倫」「復讐」というジャンルは、エンタメジャンルとして一定の需要があります。それは人間が日常の生活の中で抱く感情や、直面する問題と密接に関係するからです。ただ、それらの問題に対する感情は、時代によって大きく変化します。このジャンルは、いかに敏感に時代の空気感を読み取るのか、そしてアップデートされた価値観に合ったカタルシスを用意することができるかが重要だと思っています。

――他の作品と類似しないよう本作でこだわった点はどこですか?

【五十嵐悠氏】「不倫」「復讐」ジャンルの中に「サスペンス性」を強く入れました。茜の前に現れる復讐代理人“仮面”の存在は、ストーリーの展開を強化する目的がありました。タイトルに「5つの~」というキーワードを入れたことも、週刊連載のwebtoonに求められる、毎週の引きと展開の早さを意識するためです。

――暴力、モラハラ、性暴力…と女性にとってこの上ない屈辱を与えていく夫・大輔の非道さが、作品への没入感を高めていきます。バイオレンスなシーンを描く際に心がけたことは?

【五十嵐悠氏】現在、電子配信を行うマンガは、広告のレギュレーションや配信プラットフォーム(アプリ)のレギュレーションに順応した表現を行なう必要があります。本作では、最大限に大輔の非道さを描写しつつも一線は超えない様に、直接的な表現を極力避ける努力をしました。

■主人公が被害者から加虐する側へ変わる姿は必見、読者も一緒に復讐している感覚に

 主人公の茜は、結婚を機に退職し専業主婦に。その後夫・大輔の浮気やモラハラに耐えながらも、やっとの思いで妊娠。しかし大輔のDVにより流産したことをきっかけに、夫への復讐の念を募らせる。

――茜は「夫を社会的に抹殺する」という目標ができたことで、生き生きとしていきます。復讐を決意する前後の展開で意識したところはありますか?

【五十嵐悠氏】復讐の前後で茜は「被害者」から「加虐する側」へと変わっていきます。一方的にモラハラやDVを耐える妻であった女性が、自立して行く姿でもあるのですが、“仮面”が提示する復讐にのめり込んで行くことの危険性を絵の中でも表現しました。

――大輔のモラハラ行動やDVを受ける茜の表情、復讐を決意した際の茜の異様さは、ゾクゾクしました。おすすめのシーンがあれば教えてください。

【五十嵐悠氏】第7話と第8話で、第1の復讐を受ける際の大輔の情けない姿とそれをほくそ笑む茜です。このシーンが本作の方向性を決めたシーンだと思っています。

――「旦那無理」「最悪、なんなの?この男」とかなり大輔への反感の声が寄せられており、毎回コメント欄が盛り上がっています。そんな読者からの反響で印象的だったものはありましたか?

【五十嵐悠氏】LINEマンガのコメント欄は、更新日に毎回チェックしています。茜の境遇に心底共感して、読者も一体となって大輔たちへ復讐をしている感覚になります。気になった反響で言うと、第30話でSeason1が終了した直後、Season2で「茜の結末はどうなったの?」という声が大きかったです。これに関しては、Season2を最後まで読むとしっかりと“答え”があるので、ぜひ最後まで読んでいただきたいです!

――マンガとドラマ、どちらもSeason2が盛り上がっているところですが、今後も“オトサツ”のようなヒット作を作り出していくために考えていることがあれば、聞かせてください。

【五十嵐悠氏】「不倫」「復讐」といったジャンルには一定の自信を得たので、“オトサツ”に次ぐヒットを作っていきたいですね。現在企画段階のものでも非常に面白いギミックがある同ジャンル作品を制作中です。チャレンジとしては、“オトサツ”のノウハウを活かして女性向けのファンタジー作品に挑戦していきたいと考えています。

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