和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年10月18日(金)

富田川で自ら人柱に 彦五郎物語を上演

【演劇「彦五郎物語」で熱演する出演者(3日、和歌山県上富田町朝来で)】
【演劇「彦五郎物語」で熱演する出演者(3日、和歌山県上富田町朝来で)】
 和歌山県上富田町朝来の上富田文化会館で3日、創作劇「彦五郎物語」の公演が昼夜2回あった。地元の伝説を題材に出演者が迫真の演技を披露し、計約600人の観客を魅了した。


 有志でつくる町民創作劇実行委員会主催、紀伊民報など後援。今回は10回公演記念と上富田町制施行60周年記念事業として開いた。


 町内を流れる富田川の相次ぐ氾濫を鎮めるため、自ら人柱になったと伝わる彦五郎が主人公の物語。出演者は、彦五郎が生きた時代と現代を行き来する場面展開で、そこに関わる人々の心の動きを丁寧に表現した。大水で大事な家族を亡くした悲しみや彦五郎が人柱になるまでの葛藤、彦五郎の切ない恋模様なども織り交ぜ、観客を劇中に引き込んでいった。せりふに方言をふんだんに使い、笑いを誘う場面もあった。


 初めて見たという同町生馬の男性(58)は「この伝説は以前から知っていたが、今回鑑賞して改めて考えさせられた。『明日は誰にでも来るわけやない』というせりふがジンときた」と感動した様子だった。