和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年07月11日(土)

熊野15一絵(13)田辺市長野/ひるね茶屋の黄金世界

田辺湾に沈む太陽の光を浴び、イチョウの黄葉がより一層、黄金色に輝いた(28日午後4時37分、田辺市長野で)
田辺湾に沈む太陽の光を浴び、イチョウの黄葉がより一層、黄金色に輝いた(28日午後4時37分、田辺市長野で)
熊野一五一絵地図・田辺市長野
熊野一五一絵地図・田辺市長野
 急な熊野古道の坂道を上った先に、秋が黄金色に輝いていた。大きく育った5本のイチョウが黄色く色づき、散り始めた葉が庭一面に敷き詰めている。

 ここは、遠くに田辺湾を望む「ひるね茶屋」。世界遺産に登録されている熊野古道「長尾坂」(田辺市上三栖―長野)と「潮見峠越」(田辺市上野―中辺路町西谷)の中ほど、標高約370メートルの水呑峠にある。

 近くに住む宇杉一治さん(85)が60年ほど前、この地にイチョウを植え、20年ほど前には「熊野古道を歩く人が一息ついてくれたら」と、私財を投じて木造2階建ての施設を建てた。

 そのイチョウが毎年、この時季に美しく色づき、古道を歩く人たちを歓迎。春には周辺に植えたソメイヨシノやハナモモが咲き誇り、桃源郷のような景色に包まれる。

 茶屋に至る道は狭く、車が対向できない場所もある。運転には注意が必要だが、一度は訪れ、この地に住む人たちが自慢する絶景を味わってもらいたい。
(牧康宏)