和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年07月18日(木)

統一地方選 地方議会に関心を

 4年に1度の統一地方選挙が近い。県内では4月7日に県議選があり、2週間後の21日にはすさみ町長選や新宮市、すさみ町など8市町の議員選がある。


 2015年の前回県議選は14選挙区中7選挙区が無投票。平均投票率は48・11%で、初めて50%台を切った。4回連続で過去最低を更新中だ。


 最大の要因は、有権者の関心が低下していることだろう。無関心は議員の緊張感を奪う。政務活動費の不適切な支出や必要性に疑問符が付く海外視察が続くのはその一例だ。議会の機能低下と住民の無関心。この悪循環を断ち切らなければならない。


 統一選を機に、もう一度、議員の役割を見つめ直してみよう。


 首長と議員はそれぞれ選挙で選ばれ、対等の立場にある。首長の提出する予算案や条例案は議会の審議を受け、賛同を得なければ実行できない。執行状況についても議会が点検する。


 もう一つの役割が議案を提出して新しい政策を打ち出す「政策立案」である。首長らと違った視点で住民の多様な意見をくみ上げ、政策に反映させることができる。


 議会は年に4回(県議会の場合2、6、9、12月)の定例会と、必要に応じて開く臨時会がある。会議は誰でも傍聴できるし、インターネットで配信している議会もある。


 本紙は先日、高校生と一般読者の計4人に田辺市議会の一般質問を傍聴してもらった。全員、傍聴席に座るのは初めて。少し緊張した様子で、熱心にメモを取りながら、質疑に聞き入っていた。


 傍聴後の第一声は4人とも「面白かった」。「思ったより生活に直結した議題で分かりやすい」「政治が身近に感じられた」と好評だった。「日曜に開いてくれれば、もっと多くの人が傍聴できるのに」という声もあった。


 一方で「議員と市当局のやりとりが台本通りのようで緊迫感がない」「市当局は協議や検討などと言葉を濁さず、はっきり答弁してほしい」といった注文もあった。


 全国的には執行部から議員に逆質問できる「反問権」、議員間で意見をぶつけ合う自由討議を導入している例もある。活発な議論こそが有権者の関心を引き寄せる。議員自らが改革を進めてほしい。


 議員には、その活動を広く伝える努力が求められる。議会が開会しているのは年間で100日足らず。それ以外の議員の活動は見えにくいという声は多い。


 政務活動費の使途も同様だ。議員は使途だけでなく、成果や意義を納税者に示さねばならない。


 議会は「陳情」や「請願」などの手段を行使して活用することもできる。陳情は住民からの意見を議会に直接提案し、請願は1人以上の議員が紹介者となって提案する。問題意識を共有する議員に働き掛ける方法もある。


 不満ばかり言い募っても始まらない。自分たちの暮らしは、自分たちで決めよう。今回の統一選をその第一歩にしたい。(K)